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診療報酬改定で効率的な医療体制へ 高齢者の増加に対応 

 厚生労働省は7日に決めた診療報酬改定で、医師らの働き方改革を重点課題と位置づけた。2025(令和7)年にすべての団塊の世代が後期高齢者となり、2040(令和22)年には高齢者人口がピークに達しようとする中、良質かつ効率的な医療提供体制を構築する必要があり、大病院への患者集中も防がなければならない。今回の改定にはその流れを加速させる狙いがある。

 働き方改革を進める背景には、夜間の当直や緊急時の呼び出しが頻繁にある勤務医の過酷な勤務実態がある。高齢者が増加する中、医療へのニーズは高まるばかりで、医師らの疲労が蓄積されれば、医療事故につながりかねない。救急医療で実績のある病院への報酬を手厚くするのは、増額分で職員を増やし、医師らの負担軽減につなげたいからだ。

 厚労省は再編・統合の検討が必要とされる424の公立・公的病院のリストを公表し、各地から反発を招いた。しかし、再編・統合を促す地域医療構想の推進は効率的な医療提供体制構築の一環で、もはや待ったなしだ。

 患者側も良質性と効率性を追求する方向性に協力する必要があり、軽症の場合は地域のかかりつけ医で診てもらい、大病院では高度な医療を必要とする患者が優先されるべきだ。紹介状なしで大病院を受診した患者から追加料金を徴収する制度を拡大するのは、大病院とかかりつけ医の役割分担を進めるための患者誘導策といえる。役割分担を明確にしなければ、大病院はパンクし、働き方改革は看板倒れに終わってしまう。

 改定では、24時間体制で難病患者らに専門的な訪問看護ができる医療機関への加算を新設。緊急時に医師の求めで患者宅に訪問し、薬の指導や管理を行う薬剤師の報酬も手厚くする。こうした取り組みを通じて、入院医療から在宅医療の流れも強化したい考えだ。

 診療報酬は税金や保険料、患者の窓口負担で賄っており、報酬増は国民の負担増につながる。国が求める方向性に対し、国民の理解は欠かせない。(坂井広志)

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