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【認知症と歩む】(31)理解に貢献した2人の医師

 認知症の理解と支援に大きく貢献された2人の医師に関わる本の発行が相次いでいます。

 1冊は認知症簡易知能検査「長谷川式スケール」を開発した長谷川和夫先生の「ボクはやっと認知症のことがわかった」(KADOKAWA、昨年12月出版)。長谷川先生は2年半ほど前に自身が認知症になったと公表されました。「これまで何千人もの患者さんを診てきた専門医であるボクが、認知症になって何を思い、どう感じているか、当事者となってわかったことをお伝えしたい」と思ってつくられた本です。

 もう1冊は、京都の“わらじ医者”こと早川一(かず)光(てる)先生の最晩年の言葉と姿を伝える「早川一光の『こんなはずじゃなかった』」(ミネルヴァ書房、2月13日出版予定)です。「(京都)西陣の路地は病院の廊下」と喝破して戦後間もなくから下町の人たちに寄り添われました。診療の傍ら、ラジオ出演や執筆、講演をこなしておられたのですが、90歳で多発性骨髄腫を発症し、闘病の末、一昨年に94歳で亡くなられました。病床での「こんなはずじゃなかった」というさまざまな思いを、長女のさくらさんが聞き書きでつづっています。私も「一光先生、生きていてほしかった!」とする推薦文を書きました。

 早川先生は「認知症の人と家族の会」の生みの親。長谷川先生は家族の会を教え、見守ってくれた教師ともいうべき存在でした。2人とも、家族の会の顧問を務めてくれていました。

 本の中の、「くよくよしているよりは、いまできることをやろうと決めた。だから公表し、語ることを始めた」(長谷川先生)、「出来上がったシステムを上から地域に押しつける医療が地域医療やない。こんなんが地域医療のわけがない」(早川先生)の言葉が胸を突きます。=次回は2月14日に掲載

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