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全盲の男性、夢かなえる 茨城・つくばにマッサージ治療院           

「気軽に本格的なマッサージを受けてほしい」と話す沢田和也さん(篠崎理撮影)
「気軽に本格的なマッサージを受けてほしい」と話す沢田和也さん(篠崎理撮影)

 国内唯一の視覚・聴覚障害者のための国立大学、筑波技術大(茨城県つくば市)に通う全盲の男性が、念願のマッサージ治療院を開いた。インターネットで資金を募る「クラウドファンディング(CF)」で治療院開設を目指したものの、いったんは計画が頓挫。しかし、あきらめずに再挑戦し、大学のOBやNPO法人の協力も得ながら夢をかなえた。

 「最高の場所に治療院ができた」

 こう胸を張るのは、つくば市吉瀬にマッサージ治療院「コトリ治療院 もりのなか店」を開いた沢田和也さん(23)=筑波技術大保健科学部4年=だ。

 生まれつき全盲の沢田さんは、盲学校を卒業後、出身地の石川県で3年ほどマッサージ師として働き、筑波技術大に編入した。大学でのマッサージ実習で利用者の喜びの声を聞く中でやりがいを見いだし、昨年5月、CFを活用して治療院開設に向けた資金集めを始めた。

 しかし、計画は思うようには進まなかった。目標額の120万円に対し、集まったのは約65万円…。「準備期間が短く、自分の思いが伝わらなかった」。沢田さんはこう振り返る。

 ただ、その後も「外出が困難な人にも気軽にマッサージを受けてもらいたい」という沢田さんの強い気持ちは揺るがなかった。「治療院ができれば後輩たちの就職先にもなる」。そんな沢田さんの思いを知ったOBらが治療院開設のための場所探しなどを手伝い、オープンにこぎつけた。

 治療院のベッドは2床だけで、立地も思い描いていた中心市街地ではない。それでも沢田さんは「疲れた体を癒やすには静かな環境が必要」と前向きだ。「まずは治療院を軌道に乗せて、順調に進んだら、患者の送迎サービスも実施したい」と展望を語る。

 スタッフは4、5人で、全員が国家資格を持つ。

 「障害者は『サポートされる側』というイメージがあるが、利用者にとっては私たちはプロのマッサージ師。サポートする側にもなれる」

 沢田さんはこう力を込めた。(篠崎理)

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