PR

ライフ ライフ

【親子でわくわく かがく絵本】「ゲーとピー たぬきせんせいのびょうきのほん」経験を振り返りながら

 「たぬき先生」として愛された小児科医の毛利(もうり)子来(たねき)さんが、私たちの体の不思議をわかりやすく、ユーモラスに語った絵本があります。平成10年に福音館書店から刊行された『ゲーとピー たぬきせんせいの びょうきのほん』(なかのひろたか絵)です。

 「まよなか、かずこちゃんはパッとめがさめた」「くちのなかにツバがたくさんでて」「おへそのあたりがヒクヒクって」して「のどがオエってかんじ」がして、「とたんにくちからゲーがとびだした」。お父さんとお母さんは跳び起き、かずこちゃんの口の周りを拭いたりシーツを片付けたり、心配そうに娘を見つめます。作者は、ゲーのときの体の様子を詳細な言葉にし、子供の傍らにいる親の様子も描いています。

 幼稚園でこの本を読んだとき、初めは「ゲーとピー」という音の面白さに笑っていた子供たちが、「私もこの前ゲーしたよ」「お父さんがおんぶして病院に行った」と、自分の経験と重ね合わせていきました。

 たぬき先生は、細菌の毒が「ゲーしれいぶ」(嘔(おう)吐(と)中枢)を怒らせゲーを出させること、また、細菌やウイルス以外で、例えば乗り物酔いや、命の危険がある「こわーいゲー」もあることを教えてくれます。子供たちは「へ~そうか」とゲーの仕組みに驚きました。

 今度は「おなかがゴロゴロする」と「げりピー」になったたかし君が両親と一緒に病院にやってきます。

 げりピーなんて聞くと普段はおちゃらける子供たちが、病気のときのおなかの音や腸の説明など、真剣な表情でたぬき先生の話に見入りました。自分の経験を振り返りながら、子供たちは自分の体や病気の仕組みや成り立ちに納得していきました。そして、「じゃあさ、プーはなんで出るの?」「ゲップは?」と体の現象と言葉の結びつきにも興味や関心を広げていきました。「こどもは、びょうきしながら、じょうぶになっていくんだね」というたぬき先生の言葉は子供だけでなく、幼い子供の親にも優しく響きます。

(国立音楽大教授・同付属幼稚園長 林浩子)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ