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【歴史の転換点から】信長をめぐる女たち(3)脳科学者・中野信子さんに聞く(上)時代を席巻する「利と血の論理」

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織田信長や正室の「帰蝶」について語る脳科学者、中野信子さん=東京都港区(三尾郁恵撮影)
織田信長や正室の「帰蝶」について語る脳科学者、中野信子さん=東京都港区(三尾郁恵撮影)
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 ともすれば織田信長の言動は、その天才性ゆえに「凡人にはおよびもつかない」との説明で納得してしまうところがある。そんな信長の思考や感性を、彼の女性観や正室をはじめとする女性たちとのかかわり方を考察することによって「見える化」することは可能なのだろうか。ベストセラー『サイコパス』(文春新書)の著者としてしられ、『戦国武将の精神分析』(宝島社新書、本郷和人・東京大学史料編纂所教授との共著)といった著作もある脳科学者、中野信子さんに話を聞いた。(編集委員 関厚夫)

 --まずはその生涯について謎の多い正室の「帰蝶」(濃姫)と信長についてですが…

「帰蝶」に伸びる信長の影

 「そもそも面白いと思うのは、『帰蝶』という女性について研究者や歴史ファンたちがいまなお、熱心に議論し、その生涯を解明しようとしているということです。これは織田信長という歴史上の人物に対する人気に衰えがみえないことと表裏一体なのだと考えています。信長は驚くほどパワフルで、新しいことを次々と取り入れ、それまでとはまったく異なったパラダイムの世の中をつくりあげました。今も昔も男性が憧れる男性の一類型だと思います。別の言い方をすれば、『新しい時代をもたらしてくれるのではないか』という予感のする人を好む傾向が男性には顕著にみられるということです。

 結果、そんな信長の正室とはどのような人だったのだろう-という方向に関心が高まってゆくのでしょう。興味深い現象だと思います。さて、『帰蝶はどのような女性で、どのような一生を送ったのか』という議論は歴史家のみなさんにおまかせするとして、個人的に信長の正室像について一つ指摘できるのではないかと思うことがあります。

 信長は非常に合理的な人間だったために、因習にとらわれることなく、前代未聞のことを次々となしとげることができたのだと考えています。では、そんな信長は絶世の美女を妻にしたいと望んだのか。私には、容貌については彼の結婚の条件には、ほとんど入っていなかったと思えてならないのです」

 --え? 「美形一族」だったといわれる信長だからこそ、容貌には結構うるさかったのではないかと思っていました

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