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【書評】評論家・宮崎正弘が読む『つくられた最長政権』石井一著 現代政治の貧困を憂う

『つくられた最長政権』石井一著
『つくられた最長政権』石井一著

 現在の日本の政治システムである「小選挙区比例代表並立制」の生みの親ともいえる政治家が、波乱に満ちたドタバタ続きの国会生活を振り返り、選挙制度の矛盾を指摘、政治の貧困を憂うる。

 国会の暴れん坊だった石井一氏は自らを猛省して言う。「政治劣化の戦犯」だと。本書の特質は、選挙制度の欠陥が政治中枢をまひさせたと指摘したことだ。かといって中選挙区制に戻すと金権政治、派閥政治が復活する愚であることも強調する。

 20年にわたる自公のなれ合いが、現在の最長政権というゆがみを生んだと分析するあたりが、政治劣化の肯綮(こうけい)にあたっている。

 だから改憲に進まない。

 石井氏の政治信念は「政界渡り鳥」の印象からは遠く、美空ひばりの歌の一節「一度決めたら二度とは変えぬ」。

 なんだか、浪花節だなぁ。

 だから党籍を変えたのは変節ではなく、信念の置き場所は不動だと力説するわけである。この信念から、運輸政務次官だった昭和52年のダッカ事件では、政府派遣団長としてバングラデシュに飛んで、日本赤軍と交渉、武勇伝の主人公ともなった。しかし、あの凶悪事件も、歳月とともに風化してしまった。交渉は任侠(にんきょう)の世界だったと石井氏は振り返る。

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