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【高見国生の認知症と歩む】(30)ユマニチュードで変化

 介護中のみなさんは年末年始をいかがお過ごしでしたか。どうか今年も自分の健康を第一に考えて、できるだけ負担の少ない介護を心がけてほしいと思います。

 「できるだけ負担の少ない介護」とは、手抜きをすることではありません。介護のコツを会得して自分も相手も心地よくなることです。

 52歳で発症した夫を10年にわたり介護するY子さん。夫は幻視が強く、話がかみ合わず続きません。夫の言うことが理解できず、Y子さんの対応が悪いと夫はすぐに怒ってしまいます。「意思疎通ができないのが最大の悩みでした」とY子さん。

 そのY子さんが、ユマニチュードを知ってから、夫との関係が良くなったと感じています。ユマニチュードとは、フランスで開発された介護の技法で、「人間らしさ」を大切にします。(1)正面からしっかり目を見つめて(2)穏やかにゆっくり前向きな言葉で話しかける-など4つのポイントで相手に接するものです。

 夫の視界に入るようにしてゆっくり話しかけてみたら、いつもと違ったといいます。泣きそうな顔をしている夫に、「一緒に泣こうか」と言ったら素直に「うん」と。「けっして仲の良い夫婦ではなかったのですが、いま心が通ったと思った」そうです。また、最近は走ることはできなくなったので、「二人で歩こうか」といったらこれにも「うん」。何事にも意欲的だった以前の夫のままだと思えて、本当にうれしかったといいます。「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、介護する者はそういうことで元気になり、介護への勇気も奮い立たせることができるのです。

 Y子さんは「やさしく接するように心がけたから、夫も心を開いてくれたのだと思います」と語っています。

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 「認知症の人と家族の会」電話相談 平日午前10時~午後3時、0120・294・456

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 【プロフィル】高見国生(たかみ・くにお) 認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、現在は顧問。同会は全国に支部があり、会員数約1万1千人。

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