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【第162回直木賞】「近年まれにみる大きなスケール」 浅田次郎選考委員が講評

 --初候補が4作。選考委員の意見は

 「むしろ面白いと思いました。いつものメンバーが出てくると、やっぱり前作と比較してしまう。横の相対評価でなく、縦の評価が出てきて難しくなってしまう。私は今回、湊さん以外全員の作品を初めて読みましたが、とても新鮮で、小説として公平に読むことができました」

 --他の3作への意見は

 「(4回目の候補となった)湊さんは、(作品の)数を書いていらっしゃるし、支持する読者も多い。ストーリーテリングに一日の長があるのは歴然で、この作品で取らない手はないという声もありました。ただ、文章がくどいのではないかとか、ちょっと分かりづらいという意見も交わされ、(最終的に)強く推す声が得られませんでした」

 「誉田さんも(作品の)数を書いている方。実力があるし、読みやすくもあるので、強く推す声がありました。ただ、(作品内の)ITのシステムがよく理解できない。いまなお、直木賞の選考委員の半分は手書きですから。このシステムについては、詳しい委員の方から『ちょっと時代遅れ』との指摘もありました」

 「呉勝浩さんの『スワン』(KADOKAWA)は面白く読みましたが、作品が映像ありきで、小説というスタイルを取っていないのでは、という意見が強かった。このタイプの小説はすごく多いんです、今。(作品内で)これだけの人間が死んでしまうからには、それなりの苦悩を作家自身が背負わなければ文学ではないと私は思います」

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