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【ビブリオエッセー】スカーレットばあちゃんは自由奔放

 タイトルの「マジカルグランマ」は、「世間が求めるステレオタイプのおばあちゃん像」といった意味である。これは、あの名作『風と共に去りぬ』が、白人に献身する都合のよい黒人像として乳母、マミーを描いていたと批判される「マジカルニグロ」の視点に結びつけている。

 主人公は元女優の正子さん74歳。面白いのは、彼女が相当わがままで超がつくほど自分本位、まるでスカーレット・オハラのようなのだ。

 お金に困って家にある調度品や家具を全部メルカリで売り払ってしまったり、街角で若い女の子と取っ組み合いの喧嘩をして通りすがりの人に動画を撮られ拡散されたり、自分の家で突拍子もないお化け屋敷の商売を始めたり…。スカーレットが歳をとって今も元気なら、きっとかつてのレット・バトラーとの恋愛なんて忘れ、こんな風にパワフルに生きているに違いないと思わせてくれる。

 常に前だけを見て、周りに迷惑をかけながらも自分が輝くすべを探し続ける正子さんのバイタリティ。こうあってほしいと他人が期待する「マジカルグランマ」なんかにとらわれない生き方、なかなか素敵ではないか。

 正子さん同様、『風と共に去りぬ』のファンとしては、差別問題にはショックを受けいろいろ考えさせられた。青春時代に映画からもらったあの感動をどこに置けばよいのか、著者から宿題をもらった気分である。

 ともあれ、70代のスカーレット・オハラに会ってみたいと思われる方は、読んでみてはいかがでしょうか。

大阪府岸和田市 福本江里子 54

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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