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【ビブリオエッセー】ピアニストの驚異の秘密に迫る 「ピアニストの脳を科学する-超絶技巧のメカニズム」古屋晋一(春秋社)

 恩田陸氏の『蜜蜂と遠雷』は直木賞と本屋大賞のダブル受賞で話題になりました。本屋大賞の趣旨から言えば直木賞と重なるはずはないのですがなぜか本屋大賞も受賞。それがきっかけで、恩田氏の小説を初めて読みました。

 ピアノに触れたこともない私は小説に登場するピアニストがコンクールで演奏する曲を動画で確認しながら読み進みました。最大の収穫はラン・ランとユジャ・ワンの演奏動画に出会ったことです。

 この二人の中国人ピアニストは超絶技巧で、とにかく凄い。少し大げさですが人類の文化と能力の一つの到達点、頂点ではないか。そこで何年か前に読んだ古屋氏の名著を再読することになりました。

 近年のMRI技術の進展は著しく、ピアニストの脳科学的研究の成果が紹介されています。ピアニストの脳は普通の人とは違う構造になっているそうです。たとえば小脳は5%ほど大きいのです。1分間に1800回にも及ぶという打鍵。ピアニストは音をイメージしさえすれば弾けるのだとか。

 特別な神経回路ができていて指は自然に動くので喋ったり歌ったりと変わりないようです。ピアニストの力を抜いた無駄のない指さばきは持久力がある遅筋を使って演奏しているから。さらには上腕、肩の筋肉も上手に使うので長時間の演奏ができます。

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