PR

ライフ ライフ

【脳を知る】「高齢者の頭部外傷」重大な脳損傷を招く場合も

前のニュース

脳を知る「高齢者の頭部外傷」
脳を知る「高齢者の頭部外傷」

 季節を問わず年中、私たちの病院の救急外来には頭部外傷を負った高齢者の患者さんが搬送されます。国内では、重症の頭部外傷患者の半数以上が65歳以上の高齢者です。高齢者の頭部外傷の原因は、若年者のような道路上での交通事故とは大きく異なり、自宅やその周囲、施設での転倒が圧倒的に多いのです。

 そもそも高齢者は転倒しやすい状況にあります。足腰を支える筋力が年をとるにつれて低下することでバランスを崩しやすく、そうなった場合の防御姿勢も取りづらくなり転倒してしまいます。

 脳卒中で手足が麻痺(まひ)した方や、膝や腰の痛みなどでバランスが不安定になる方は、さらに転倒しやすくなります。また、不整脈や起立性低血圧による失神で倒れたり、白内障などで目が見えにくくなってつまずいたり、睡眠導入剤などの影響で眠気が残ることでふらついて転倒するのも高齢者に多くみられます。

 高齢者の頭部外傷が重症になるのは、ちょっとした頭部打撲でも生命に関わる重大な出血に陥る場合があるからです。高齢者では脳が萎縮(いしゅく)することにより、頭蓋骨と脳の間に隙間が生じます。

 この場合、わずかな頭部への衝撃でも脳の表面の血管が損傷し出血しやすくなり、頭蓋骨と脳の隙間にその出血がどんどん広がります。

 特に、心臓や脳の病気などの治療のために血液の流れを良くする抗血栓薬を内服している方では、その薬の効果で体内での出血を止める働きが低下し重大な頭蓋内出血を生じることがあります。

 国内の65歳以上の重症頭部外傷患者の30%以上が抗血栓薬を内服しているというデータがあります。抗血栓薬を内服されている方は、くれぐれも転倒をはじめとした外傷に対する注意が必要です。

 高齢者の方が自宅で頭部外傷を起こさないためには、いくつかの工夫が必要です。手足の麻痺のある方の階段の利用は転落の危険があります。自宅が2階建ての場合は、生活の拠点を1階にした方がいいかもしれません。浴室など滑って転倒する可能性のある場所には、手すりをつけたほうが良いでしょう。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ