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群馬・上州この人 窃盗症の患者をサポート 赤城高原ホスピタル院長、竹村道夫さん(74)

赤城高原ホスピタル院長の竹村道夫さん(橋爪一彦撮影)
赤城高原ホスピタル院長の竹村道夫さん(橋爪一彦撮影)

 病的に万引を繰り返す嗜癖性疾患(しへきせいしっかん)「クレプトマニア(窃盗症)」。元女子マラソン選手が繰り返した万引事件をきっかけに一般にも知られるようになったが、赤城高原ホスピタル(群馬県渋川市赤城町)院長の竹村道夫さん(74)はこの病の治療の第一人者で、平成20年から10年超にわたり2千人もの常習窃盗患者を診療してきた。病のメカニズムや発症する背景、治療の大切さについて聞いた。(橋爪一彦)

 「自分の能力や努力が評価されないといった潜在的な被害者意識、身体的、心理的な虐待などを受け、やり場のない怒りや不安が背景となっていることが多い。万引をするようになり、成功時の達成感に取りつかれてしまう」

 窃盗症は精神障害としての常習窃盗で、窃盗衝動そのものが主な動機となる。

 「実態の解明が遅れていて分からないことが多く、治療薬もない」というが、「患者は女性が多く、摂食障害に合併することが多い。犯行のほとんどが単独による万引だ」。

 平成29~30年に栃木県足利市と太田市のコンビニエンスストア、スーパーで繰り返し食品などを万引し、執行猶予付きの有罪判決を2回受けた陸上の世界選手権女子マラソン元代表の30代女性も、現役時代からの過食と嘔吐(おうと)を繰り返す摂食障害に悩んでいた。

 竹村さん自身は子供の頃、家の近くに精神科病院があった。患者たちは身近な存在で、「一緒によく遊んだ経験から精神科医を志した」。

 北関東にアルコール依存症などの専門病院がなかったため、群馬病院(高崎市稲荷台町)の院長だった兄、紀夫さんの援助を受け、平成2年に赤城高原ホスピタルを開院。

 平成17年頃から摂食障害の患者を治療し、過食と嘔吐の症状が出ると3年以内に食品の万引などの窃盗に手を染めるケースが多いことが分かった。

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