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「ドナルド・キーン記念財団」2月に設立 東京都北区ゆかり、シンポ開催や著作刊行も

会見するキーン誠己さん。背後に飾られた「黄犬忌」の絵は、ドナルド・キーンさんが子供の頃かわいがっていた犬がモデルという
会見するキーン誠己さん。背後に飾られた「黄犬忌」の絵は、ドナルド・キーンさんが子供の頃かわいがっていた犬がモデルという
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 昨年2月に96歳で死去した日本文学研究者、ドナルド・キーンさんの養子で浄瑠璃三味線奏者のキーン誠己(せいき)さん(69)が8日、東京都北区の区立中央図書館で会見を開き、遺品の管理や業績の顕彰などを目的とした「ドナルド・キーン記念財団」を設立することを発表した。急逝からまもなく1年。キーンさんの業績を振り返るシンポジウムの開催や、著作の刊行が相次ぎ予定されている。(本間英士)

 「あっという間の1年でした。父が亡くなった実感はあるのですが、家にいても出かけていても、常に父が一緒にいるような不思議な感覚があります」。誠己さんは会見で、こう振り返った。

 財団はキーンさんの命日である2月24日に発足予定で、誠己さんが代表理事に就任する。キーンさんが生前に残した書簡や遺品などを管理するが、中には昭和20年の沖縄戦の頃に書いたとみられる戦時中の手紙もあるという。

 また、キーンさんの命日の名称を、当て字のニックネームにちなみ「黄犬忌(キーンき)」と命名。当日には日本文学研究者のロバート・キャンベルさんと、生前交流のあった作家の平野啓一郎さんの公開対談を紀伊国屋ホール(新宿区)で開催する。

 著作についても、単行本未収録の文章を中心に収録した『黄犬交遊抄』(岩波書店)のほか、5冊の著書が2月に刊行予定。誠己さんは「日本人以上に日本文学のことを知っているといわれた父のことを、多くの人に知っていただきたい」と語る。

 日米両国に居を構えたキーンさんは、日本滞在時は北区に住み、近所の商店街にもよく足を運んでいた。平成18年、名誉区民に選出。25年には区立中央図書館に寄贈した蔵書を閲覧できる「ドナルド・キーン コレクションコーナー」が開設されるなど、区民の間で広く親しまれていた。

ドナルド・キーンさん
ドナルド・キーンさん
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 ドナルド・キーン 1922(大正11)年、米ニューヨーク生まれ。コロンビア大の学生時代に日本文化に興味を抱き、先の大戦では米海軍の情報士官として日本人捕虜の通訳などに当たった。終戦後に来日し、三島由紀夫ら日本を代表する作家と交流を重ね、万葉集から近現代の日本文学まで幅広く海外へ紹介。能や文楽など伝統文化の発信も担った。平成20年、文化勲章。24年に日本国籍を取得。31年死去。

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