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【編集者のおすすめ】『ベニシアと正、人生の秋に』 信頼と愛に満ちた家族史

 □『ベニシアと正、人生の秋に 正ありがとう。すべて、ありがとう』

 本書『ベニシアと正、人生の秋に』はハーブ研究家として活躍するベニシアさんと、夫で写真家の梶山正さんが、夫婦27年それぞれの半生をつづった初の共著として昨秋刊行されました。小社刊行の住宅雑誌『チルチンびと』で平成22年から連載していた「京都大原の山里に暮らし始めて」に書き下ろしや秘蔵写真を加えて、編年体で構成されています。

 連載をまとめ、夫婦の歴史の本にしたいと伝えると、「でも、私たち、夫婦ゲンカばっかりよ?」とベニシアさん。続けて「庭づくりの時代は終わったの。今のベニシアは目がよく見えない、目が見えないときはどうすればいい? もしつくるのならば、今の本当のことを書きたい」。そんなやり取りからスタートしました。

 正さんは本書でこうつづります。自宅のタイルを改修する場面、ベニシアさんが幼少時を過ごしたスペイン・バルセロナの記憶が詰まったタイルのキッチンができるまでを描写しながら、「おそらく、ベニシアはタイルが大好きなのだ」と。長らく一緒に過ごしてきた相手を、あたたかなまなざしでみつめるのです。その繊細さに触れることで、私たちがふだん見過ごしているものに気づかせてくれます。

 この本のテーマは「家族」。「人は一人で生まれて一人で死んでいくものではない。大切な人と出会い、家族をつくって、信頼と愛に満ちた生活を望むものなのだ」と正さん。信頼という言葉の尊さを考える時代だからこそ、本の中に脈々と流れている「夫婦の絆」にひかれるのかもしれません。(梶山正、ベニシア・スタンリー・スミス著/風土社・1800円+税)

 風土社編集部 宮下恵里子

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