PR

ライフ ライフ

【理研が語る】「富岳」に託す恋の行方? 青木保道

QCD相転移の研究に新たなスパコン「富岳」は何をもたらしてくれるだろうか
QCD相転移の研究に新たなスパコン「富岳」は何をもたらしてくれるだろうか
その他の写真を見る(1/2枚)

 大学1年の物理の講義で聞いた「恋のドップラー効果」というものがある。ドップラー効果といえば救急車のサイレンの音の変化を思い浮かべる方が多いだろう。既に30年以上前の話だが、舞台はさらに遡(さかのぼ)る。

 この先生は、恋愛中の女性を日本に残し、道々手紙を書くことを約束して遠い国に行くことになった。実際に経由地で毎日のように手紙を書くのだが、女性の元に届く手紙は徐々に間が開くことになる。国際郵便の宿命である。これに気づかない彼女は彼の心が離れてしまっていないか気が気でない。目的地に着いた彼は帰り道も定期的に手紙を書くのだが、届くタイミングはどんどん間が詰まっていく。女性の心配は杞憂(きゆう)だっただけではなく、彼の心は前にも増して女性のことを思っていると信じるようになり、帰国してハッピーエンド…?

 発信元から出る同じ周波数の信号が、相対的な運動によって異なる周波数で受信されるということを見事に説明しているが、私にとっては大学の先生のこんな艶っぽい話が新鮮だった。

 さて、自身の研究の話である。スーパーコンピューターを使った素粒子物理の研究を国内や東アジア、米国、欧州の研究者と共同研究してきた。幸いにも多くの方々との共同研究に恵まれるが、それだけ時間のやりくりが難しくなる。どうしても日々会う研究者との研究が優先される傾向にあり、遠距離は優先度が低くなりがちだ。この場合、研究上のやりとりのベースはEメールであり、お互い優先度が低くなると、やりとりの間が開いてくる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ