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【ビブリオエッセー】受験生への言葉に励まされ 「ぼくらが大人になる日まで」岡田依世子(講談社)

 小学校六年の時、この本に巡り会った。中学受験のため通っていた塾の国語テキストに一部が載っていたのだ。

 何かをめざし、何かから逃れようと進学塾に通う小学六年生六人が受験直前に国会議事堂見学へ行く。きっかけは塾の先生の勧めだった。親に説教された時、主人公の烈子はこう言い放つ。「あたし、いつだってなんだってママの言うとおりにしてきたよ」。続きが気になり、購入した。少しは自分の好きにさせてほしい、これだけは譲れないという強い意志に共感した。

 受験が終わってからでいい、努力が無駄になるからという烈子の母にも共感できたが結局、六人は意志を貫き、国会議事堂に行った。

 物語は受験直前で終わる。送り出す塾の先生は、「どんなにきつかっただろうと思います。大人だってなかなか耐えきれることじゃない。でも君たちは投げ出さなかった」「かけがえのないすばらしい何かを、手にしているにちがいないのです!」「君たちの姿をぼくは決して忘れません。たった十二歳でこんなにがんばれた。その体験は必ずや自信となり誇りとなって、君たちを輝かしい未来へと導いてくれるでしょう」。

 受験を控えた小学六年生という同じ立場の主人公と自分を重ね、塾のスピーチにも励まされ、私も無事に受験勉強を終えることができた。

 高校三年になり、私は再び受験生という立場にある。六年分成長した受験生になっているだろうか。受験勉強で大変だが、この作品を思い返しながら時には息抜きもして、応援してくれている人がいることを胸にやり遂げたい。

 兵庫県宝塚市 猿丸華子18

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

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