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高見国生の認知症と歩む(29) 幻視が特徴 レビー小体型

 「認知症」という言葉は病気の名前ではありません。脳の細胞が死滅したり、働きが悪くなったりしたため、記憶力や判断力が低下した状態を指す言葉です。いわば「はらいた」とか「あたまいた」のようなものです。一口に「腹痛」といってもさまざまな原因があるように、認知症にも何十もの原因疾患があるといわれているのです。

 そのうち主なものは、よく知られているアルツハイマー型とレビー小体型、前頭側頭型、脳血管性の4種類です。原因疾患によって少しずつ症状が違うのですが、レビー小体型の特徴は、幻視(実際にはないものがあたかも存在するように見えること)です。

 「部屋に知らない子供が何人もいる」とか、「天井に虫がはっている」などと言って騒ぐ76歳の母親に、最初は優しく対応している息子ですが、何度も繰り返されるとイライラが募り、「そんなものどこにもいない! いい加減にしろ!」と怒鳴ってしまいます。そんな義母と夫の様子に心を痛める妻のM子さんに、義母の主治医は「本人には見えているので仕方がない」と言うだけです。どう対応したらいいのか、とM子さんは困っています。

 本人には見えているのですから、頭ごなしに否定したり怒ったりすることはよくありません。本人の話を受け止めて、「大丈夫、危害はないよ」とまずは安心してもらうことが大切です。怖がっている場合は、「一緒に追い出しましょう」と追い払うしぐさをしてもらうと消えることもあります。もし自分も見えていたらと考えて、その時のひらめきとアドリブで接してあげましょう。

 介護中の皆さん、今年もご苦労さまでした。「私はよくがんばった」と自分で自分を褒めてください。来年は良い年になるようにお祈りしています。

 【プロフィル】高見国生(たかみ・くにお)認知症の養母を介護し、昭和55年に「認知症の人と家族の会」を設立。平成29年まで代表を続け、現在は顧問。同会は全国に支部があり、会員数約1万1千人。

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