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和歌山城、木造再建か耐震補強か… 年度内に方向性

木造での再建や耐震補強が検討されている和歌山城天守閣。手前は平成18年に復元された御橋廊下=和歌山市
木造での再建や耐震補強が検討されている和歌山城天守閣。手前は平成18年に復元された御橋廊下=和歌山市

 和歌山城天守閣について和歌山市は、木造での再建か耐震補強かの方向性を今年度内に決める。木造再建を求める市民有志らは15日に市内でイベントを開催し、江戸時代の本来の姿に戻す意義を強調した。昭和20年の和歌山大空襲で焼失し、33年に鉄筋コンクリート構造で再建された天守閣は戦後復興のシンボルだけに、市民を巻き込んだ議論の高まりが期待される。

 天守閣は、第二次大戦末期の20年7月9日深夜、米軍による和歌山大空襲で焼失したが、33年に再建。総工費1億2千万円のうち約5700万円が市民らの寄付でまかなわれた。

 しかし、再建から60年が経過し老朽化が問題となっている。市が昨年4月に公表した耐震診断結果によると、大天守閣などは震度6強~7の大規模地震で倒壊する危険性があることが分かった。一般的にコンクリートの耐用年数は50~70年ともいわれ、対策が急がれている。

 市は、天守閣を後世に残すには木造再建と耐震補強のいずれの方法が適切か、2年ほど議論が必要とし、関係部署で検討を進めている。木造再建が可能かを判断するため、空襲で焼失する以前の状態が分かる設計図や絵図、写真などがどれだけ残っているか調べている。

 和歌山城整備企画課の担当者は「コンクリートの耐用年数はさまざまな条件もあって一概にはいえないが、大規模な地震が発生した際の安全性が担保できていないなか、対応は急がないといけない。今年度末には方向性を決めたい」としている。

 一方、市民らによって15日に開かれた木造再建を求めるイベントには約100人が参加。「国宝」和歌山城木造復建の会の白樫啓一会長は「市民の力で再建された現在の天守閣は、戦後混乱期の精神的な支えになった。今度の整備も、本来の姿である木造にすることで、市民の思いが込められた天守閣にしたい」と話した。

 天守閣の再建については、和歌山城と同様に米軍の空襲で焼失し昭和34年に鉄筋コンクリートで再建された名古屋城が知られ、名古屋市が木造での復元を決定。総工費は約505億円を見込んでいる。

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