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【学ナビ】羅針盤 学校行事でつくられる「筑駒精神」

 □筑波大学附属駒場中・高等学校 林久喜校長

 東京大学への進学率日本一として知られる筑波大学附属駒場中・高等学校(東京都世田谷区)。学校生活は水田学習や音楽祭、文化祭、ロードレースなど多彩な活動に彩られる。個性豊かな生徒が協働し、ぶつかり、自他を認め合う過程が同校の魅力だろう。「校風は自由・闊達(かったつ)。いい言葉です」と顔を見合わせて笑うのは林久喜校長と梶山正明副校長だ。ユニークな筑駒生の成長の日々とは-。(聞き手・宮田奈津子)

 --どんな生徒が入学してくるのか

 「中学で120人、高校から新たに40人が入学する。中学受験を終えたときは、天狗(てんぐ)になっている子もいる。算数は一番と思っていたら、もっとできる子ばかりで壁にぶつかる。だから自分の好きなことを見つけ、行事や課外活動などに参加し、世界を広げていく。先輩たちは学校をジャングルに例える。生き抜くには、自分を柔軟に変えていかなければならない。自分づくりに打ち込む時間が始まるわけです」

 --学校行事が多い

 「音楽祭・体育祭・文化祭を中心に、ケルネル水田稲作や地域研究、弁論大会など確かに多い。生徒は、ピアノが得意、スポーツに夢中-など多様な能力を持っている。学校は個性を発揮できる場であることを軽んじてはいけない。体を鍛え、音楽や芸術に触れて…。それに、勉強だけの生活なんてつまらなくて、6年もたえられません」

 --筑駒精神は学校行事でつくられる

 「実行委員会のトップになったとします。牽引(けんいん)役だからといって、自分のやり方だけではできず、調整や配慮を重ねる必要がある。社会でやることと同じ。それぞれの立場での経験を通して成功体験を得る。そこに仲間意識が生まれ、『真の筑駒生』となる。群れないが、苦手な部分や弱点を助け合える関係が生まれる。行事がなくなったら、学校は魅力を失ってしまう」

 --筑駒生の良い所は

 「実は素直な生徒が多い。“すごいやつ”の足をひっぱらず、認める。ダメな部分も見えているはずだが、尊敬する一面を探すことができる。そして、多様な好奇心や可能性の方向性を持っている。本来自分が持っている個性を磨いていってほしい。『好きなことやれよ』と言っています」

 --大学入試制度の変更が検討されている。学習面での変化は

 「書く力は何よりも大切。書くためには読まなければならない。書くためには、読んでくれる人を想像する。思考力や表現力などが重視されるのは当たり前のこと。今まで通り、そうした力を養っていく」

 --力を注いでいきたいことは

 「国際舞台での研究発表に連れ出していきたい。今年、タイの国際科学フェアに高校生を引率した。日本を出ると、外国の生徒たちの圧倒的な能力の高さや言語の問題、異文化を突きつけられる。そうした違いを超え、自分たちのステータス(社会的地位)を確立していってほしい」

【プロフィル】林久喜

 はやし・ひさよし 昭和33年、長野県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業、同大大学院農学研究科修了。長野県諏訪農業改良普及所などを経て、平成23年から筑波大学教授。同26年から同大附属駒場中・高等学校校長。農学博士。専門は作物生産システム学。

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