PR

ライフ ライフ

【主張】COP25 日本が説明すべきことは

 議論がまとまらず、地球温暖化防止の新たな枠組み「パリ協定」に黄信号がともった。

 スペインで開催された国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)である。

 二酸化炭素など温室効果ガス(GHG)の排出削減量の上積みが参加各国に求められるとともに石炭火力発電たたきに重点が置かれたCOPだった。

 出席した小泉進次郎環境相は、石炭火力発電所の海外輸出削減など、日本に求められた脱石炭化や排出削減目標の強化にも与(くみ)しなかった。これは日本政府の方針に沿った対応である。

 化石賞などでの圧力に耐えた点はよしとできるが、小泉氏は日本が天然ガス資源などに乏しい島国の工業国であることで抱える、エネルギー問題上の特殊性を参加国に語りかけるべきだった。

 原発の再稼働が長期にわたって進まない状況下では、石炭火力を使わざるを得ない。エネルギー源の多様性確保は、日本国民の暮らしに欠かせない要件である。

 また日本が輸出する石炭火力発電所は環境性能に優れた設備だ。途上国では人が生きていくための電気を必要としている。日本の石炭火力技術は安価で安定した電力を供給する能力を備えている。

 気候変動枠組み条約の目指すところは、全世界の人々の安寧に資することであるはずだ。その「目的」を実現する「手段」として、地球温暖化につながるGHGの排出削減が存在する。

 にもかかわらず、COPの議論は、目的よりも手段の方に目を奪われ、石炭を悪者にして糾弾することで満足した感がある。

 太陽光や風力発電など再生可能エネルギーを増やすにしても、それだけで電力の安定供給はできない。火力発電によるバックアップなしに、出力の変動が大きい再エネの有効利用は難しいのだ。

 各国が提出する自主目標として日本は2030年度までにGHG排出の26%減(13年度比)を表明済みだ。その上積みを今COPで求められたが、スルーした。

 小泉氏はその理由を、批判者に明確に説明すべきだった。世界に先駆けて省エネを進めてきた日本にとって減らせる余地は少なく、26%削減は非常に高い目標なのだ。その達成には原発の復活が欠かせないことへの国際理解を得る好機でもあっただけに残念だ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ