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ノーベル賞・吉野さん、同行取材で感じた環境問題への決意

スウェーデンのカール16世グスタフ国王(右)からノーベル化学賞のメダルと賞状を授与される吉野彰・旭化成名誉フェロー=10日、ストックホルムのコンサートホール(共同)
スウェーデンのカール16世グスタフ国王(右)からノーベル化学賞のメダルと賞状を授与される吉野彰・旭化成名誉フェロー=10日、ストックホルムのコンサートホール(共同)

 リチウムイオン電池を開発した功績が認められ、今月10日、吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)がノーベル化学賞を受賞した。現地に同行取材し、直接聞いた吉野さんの言葉の端々から伝わってきたのは、リチウムイオン電池の“生みの親”として背負った環境問題解決への使命感だった。

 「開発に関わったいろいろな人の努力の重みと、持続可能な社会の実現に貢献しなければならないという責務の重みの両方を感じた」。授賞式から一夜明けて行われた記者会見で、終始にこやかだった吉野さんが、表情を引き締めてメダルの重みについて語ったのが印象的だった。

 10月9日に受賞が決まってから、吉野さんは「環境問題解決の道筋を示すようなメッセージを世界に届けたい」と強調していた。温暖化など地球環境問題が大きな課題となっているなか、リチウムイオン電池の出現で「脱化石燃料社会」という新しい世界の実現の可能性は大きく広がった。

 環境先進国といわれるスウェーデンでは高い関心が持たれ、現地では多くの人が「私たちの生活にも身近でノーベル賞にふさわしい研究成果だ」と称賛した。取材を通じて吉野さんの功績の大きさを強く感じたとともに、一人の日本人としても誇らしくなった。

 普段は京都で最先端の研究現場を取材しているが、その成果がどれほど多くの人に伝わっているのかを実感することは少なかった。今回ノーベル賞授賞式という大舞台で、世界からたたえられる吉野さんの姿を間近で取材し、日本の科学技術が人類に貢献していることが実感でき、心打たれる経験となった。

 「ノーベル賞をいただいたことで、私の言葉の一つ一つが重みを持ってくる」と語った吉野さん。今後、国内や世界にどのようなメッセージを発信し続けるのか注目していきたい。(京都総局 桑村大)

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