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【がん電話相談から】Q:卵巣がん「IC2期」 術後の治療が心配

卵巣がんの治療経過
卵巣がんの治療経過
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 ■5年生存率は80%、再発すれば再手術

 Q 60代の女性です。今年1月、強い腹痛があり、胃腸科クリニックを受診。膵炎(すいえん)の疑いで病院に転院し、検査で卵巣がんと診断されました。転院して2月に子宮全摘出、両側(りょうそく)付属器(両側の卵巣と卵管)切除、リンパ節郭清(かくせい)=切除=を受けました。病理検査の結果、IC2期の卵巣がんでした。3~7月にかけて化学療法「ドース・デンス(dose dense)TC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)」を6サイクル受けました。

 A 手術の際、癒着も見つかったとのことですね。

 Q 直腸に卵巣腫瘍が癒着していたようです。

 A 手術では癒着部分をはがして取ったと思われます。

 Q 癒着のために腹痛が出て、結果的にがんの存在を知らせてくれたんですね。

 A そのようにがんの発見を前向きにとらえることはいいことですね。

 Q 手術の際、がん細胞が破れそうだと言われましたが。

 A 手術の開腹時に骨盤内を見たら自然に卵巣腫瘍が破れているとか、卵巣腫瘍の被膜上にがんが認められる場合はIC2期になります。卵巣がんが自然にではなく手術操作の際に破れるとIC1期になります。あなたの場合はIC1期に近いかもしれません。参考までに、腹水があって細胞診検査でがん細胞が見つかるとIC3期になります。

 Q 化学療法(抗がん剤)について聞きたいのですが。

 A 今回は標準治療の手術が施行されました。IC2期でしたので、術後に化学療法を勧めるのが通常です。ドース・デンスTC療法を受けたので標準治療を完了したことになります。

 Q 卵巣がんの種類として明細胞がんと言われましたが、どのような性質がありますか。

 A 明細胞がんは抗がん剤に反応性が低いとされます。しかし、今回は検査画像には写らないようなミクロレベルの残存に対する治療なので抗がん剤の効果はある程度、期待できます。標準治療の手術と抗がん剤治療も行いましたので、良好な予後が期待できます。IC2期の5年生存率はご存じですか。

 Q ネットで調べたら50%でした。

 A それは随分、古いデータですね。いまのような手術方法や化学療法が確立していなかった時代の数値です。いまは、IC2期の5年生存率は80%前後にまで上がっています。

 Q 大きな励みになります。ただ、もし再発すると、どうなりますか。

 A 再発の場合は一般的には骨盤や腹腔内の腹膜にがんが播種(はしゅ)してできる可能性が高いです。

 Q 再発時に使える分子標的薬はないのですか。

 A 現状ではこの病状に効く分子標的薬はありません。抗がん剤でがんを小さくする方法がありますが、再発の場合、手術で取れるのなら、切除することで治る確率が高まります。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院の瀧澤憲医師(婦人科前部長)が当たりました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は月~木曜日(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます(03・5531・0110、無料)。個人情報を厳守します。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

《ミニ解説》

子宮内膜症からの発症多い

 一般に卵巣がんといえば、卵巣の表面の膜から発症する上皮性腺がんを指す。その中で、漿液(しょうえき)性腺がん、明細胞がん、類内膜腺がん、粘液性腺がんに分けられる。瀧澤医師によると、欧米人では漿液性腺がんが80%で明細胞がんは数%しかないが、日本人では漿液性腺がんは約50%で明細胞がんは約25%を占めている。

 明細胞がんの80~90%は子宮内膜症を発生母地(ぼち)=腫瘍が発生する前の組織=として起こるとされる。瀧澤医師は「子宮内膜症は良性ですが、2次的にがん化することが多く、心配な人は定期的に検査した方がいい」と話している。

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