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女性を生きる苦悩と解放 直木賞作家・島本理生さん新刊「夜 は お し ま い」 

 「自分の若い頃を振り返っても明らかに傷つけられながらも別れられない、という恋愛をしている若い女の子が多かった。駄目ながらくたみたいな関係性の山のどこかに自分が求めるものが埋まっている、という希望を捨てられないんですよね。それは、満たされないものを抱えた女性の永遠のジレンマかもしれない」

 そんな息苦しい「性」を生きる女性の祈りと解放が伝わるラストには、冬の夜明けのような薄光もさす。

 10代のときに純文学の賞でデビューし芥川賞候補に入ること4回。ところが平成27年、純文学からの「卒業」をツイッターで宣言し周囲を驚かせた。本書の収録作はエンターテインメント小説に贈られる直木賞の受賞作『ファーストラヴ』(平成30年)の刊行前に発表したものだ。「日本の純文学は私小説の文化が根強くて、私も書くときには内面に深く潜っていく。小説との距離を取るのが難しいという悩みがあったんです」。本書のタイトルには純文学作品に一区切りを付ける、という気持ちも込められている。

 「今までジャンルを意識的に書き分けてきたけれど一本に絞ったらどうなるだろう?って。人に言えないこと、理解されづらいけれど確かにある何か、を小説を通して書いていきたい」    (文化部 海老沢類)

     

しまもと・りお 昭和58年、東京生まれ。平成13年に「シルエット」が群像新人文学賞優秀作に。15年、『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞。30年に『ファーストラヴ』で直木賞を受けた。『ナラタージュ』など著書多数。

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