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【編集者のおすすめ】『明智光秀の生涯』諏訪勝則著

 ■文化人の側面にも光あて

 令和2年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」は、明智光秀が主人公です。本能寺の変の謀反人イメージを覆し、勇敢で理知的な名将・光秀の知られざる前半生が描かれるとのこと。令和になって始まる初の大河はどんな景色を見せてくれるでしょうか。

 さて、そんな大河ドラマをもっと楽しむために、お正月休みの読書に最適なのが本書『明智光秀の生涯』です。

 光秀が歴史の表舞台に登場する以前の動向から筆を起こし、将軍・足利義昭の家臣から織田信長の家臣へと、各地を転戦するのに従って本書も展開していきます。そして、光秀は信長随一の家臣へと上り詰めていくのです。

 光秀の特性のひとつは、教養ある文化人としての側面。ここに光をあてたのは、武人と文芸のかかわりに造詣の深い著者ならではです。連歌や茶道にたけ、誇り高い文化集団を形成した光秀は、信長の厚い信頼を獲得していきました。一方で、迅速かつ緻密な半面、非情で冷徹だったというその人物像は、処世術という点で織田家中最大のライバル秀吉と対比されています。

 こうして光秀の全体像を再検証したうえで、本書は本能寺の変の要因にも迫ります。怨恨(えんこん)説、野望説、黒幕説と数ある説を整理しながら見解を示し、そこには、斎藤利三というもう一人のキーパーソンが浮かび上がってきます。

 日本史上最大の謎ともいわれる、信長襲撃の動機とは何か。希代の知将の足跡をたどる一冊を、どうぞお楽しみください。(吉川弘文館・1800円+税)

 吉川弘文館編集部・高尾すずこ

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