PR

ライフ ライフ

【ビブリオエッセー】花を咲かせた光子の生き方

 総選挙も終わり、世界が注目する英国のEU離脱。そのEUの礎ともいえるパン・ヨーロッパ主義を唱えたリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーが同書の主人公、クーデンホーフ光子の次男です。

 私が光子の名を知ったのは20年以上も前のこと。美容院で手にした雑誌の記事に日本女性の名が付いた香水、ゲランのミツコと、光子のことが載っていたのです。村木さんの本を読むと直接関係はないそうですが、光子の生き方に感激しました。

 私は伝記物、とりわけ人と違ったことを成し遂げた人物に興味があります。今から100年以上も前、なぜ遠いヨーロッパに嫁いだのか。光子はオーストリア・ハンガリーの外交官として日本に赴任していたクーデンホーフ伯爵に見初められ、遥か遠くの西ボヘミアへ。18歳でした。

 7人の子供を授かりますが32歳のとき、伯爵が急逝します。気丈夫な彼女は名家を守り、子供たちにも立派な教育を受けさせました。その一人がリヒャルト。映画『カサブランカ』にもリヒャルトを思わせる人物が出てきますが、事実とは少し違うようです。

 光子は、哲学に造詣が深く敬虔なクリスチャンだった夫に教育され、育てられていく自分を楽しんだとか。人間はどんなところでも整えば花が咲くと、高野山で出会ったお坊さんから聞きました。

 亡くなるまで一度も日本の土を踏まず、日本を出るとき皇后陛下からいただいたお言葉「日本人の誇りを忘れないように」を一生、心の支えにしたとか。一度でいいから日本の竹の子を食べたかったなんて泣かせます。いつの時代も女の人ほど強いものはないんですね、やっぱり。

 大阪市大正区 金子明子73

【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

 投稿はペンネーム可。600字程度で住所、氏名、年齢と電話番号を明記し、〒556-8661産経新聞「ビブリオエッセー」事務局まで。メールはbiblio@sankei.co.jp。題材となる本は流通している書籍に限り、絵本、漫画も含みます。採用の方のみ連絡、原稿は返却しません。二重投稿はお断りします。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ