PR

ライフ ライフ

【児童書】『あのひと』 愛って何だ?

『あのひと』
『あのひと』

 ひとりであてもなく野山をさまよっている男は、なにを求めているのか。それは、まだ出会ったこともない、「あのひと」。

 彼は、いのちのままに生きている、とつぶやく。木を切って釣りざおをつくり、魚を釣る。火をおこし、暖をとる。そうやっているうちに、だれかが突然、自分の名を呼んだ。

 その声は女になった。それが、「あのひと」だった。ところが、「あのひと」は彼の前からまるで幻のように一瞬で走り去っていった。

 しかし、彼の心の中にはおもかげが残った。そのおもかげをたよりに、男はまた岡を越え、谷をさすらいながら「あのひと」を追いかけていった…。

 愛って何だ?

 その問いに対する詩人、谷川俊太郎の答えが、本書に簡潔な物語として描かれている。ちょっと聖書のなかのアダムとイブを思わせもするが、アニメーション作家ヴィットによる挿絵のおかげで、説教臭が消え、すがすがしいストーリーに仕上がった。(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット構成・絵 谷川俊太郎・詩/徳間書店・2200円+税)

(正木利和)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ