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【がん電話相談から】Q:前立腺がんでホルモン療法 ホットフラッシュが出た

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 ■しばらく治療を継続 停止後に効果判定を

 Q 60代の男性です。昨年5月、会社の健診でPSA値が29(65~69歳の基準値、3・5以下)となり、病院で検査を受けたところ、前立腺がんと診断。がん細胞の被膜外浸潤もありました。手術支援ロボット「ダビンチ」で前立腺の全摘出を受けましたが、その後、PSA値が再上昇したため、放射線治療を36回、さらにホルモン療法を受けています。

 A ホルモン療法はどのような薬を使っていますか。

 Q 内服でビカルタミドを、注射でリュープロレリンの投与を受けています。

 A 前者は男性ホルモン(テストステロン)の作用を、後者は産生(生成)を抑制するもので、これらの併用は総合男性ホルモン遮断(しゃだん)治療と呼ばれます。

 Q しかし、驚いたのは副作用のホットフラッシュです。突然、ひどい発汗が起きてしまいます。

 A いつ、どのようなときに起きますか。

 Q 通勤電車の中で急に発汗が起きてあたふたしてしまうことがあります。

 A ホットフラッシュのもともとの原因はホルモン療法によって男性ホルモンの産生が遮断され、女性の更年期のような状況になることにあります。通勤電車が混雑しているとそれが引き金になっているようです。1日何回くらい起きますか。

 Q 1日に1、2回ほどです。

 A 比較的少ない方ですね。1日10回以上出る人もいます。悩ましいなら、プロスタールという前立腺肥大症にも使う薬があり、1日1錠(25ミリグラム)で軽減効果が期待できます。

 Q 別の副作用では腕や腰など節々が痛みます。いったん動き出すと収まり平常に戻るのですが。

 A ホルモン療法による関節痛はあまり聞かない症状です。治療によって全身的な筋力低下が生じ、これが影響しているのではないでしょうか。動き出すと痛みが収まるのなら、関節の異常は生じていないと思われます。

 Q ホルモン療法を続けた方がいいですか。

 A あなたの場合、2つのハイリスク因子があります。PSA値が20以上と、被膜外浸潤です。ですから、ホルモン療法の継続は必要かと思います。

 Q ホルモン療法で根治するのでしょうか。

 A 根治というよりも、がんの増殖、進行を抑える治療です。ただ、放射線治療も行っていますので、1年でホルモン療法をいったん中止し、効果判定を行うのが良いと思います。治療中止後、半年前後かかりますが、血中の男性ホルモン値が正常化した後も、PSA値が上昇してこないようであれば、完治の可能性があります。もし、PSA値が再上昇したら、ホルモン療法を再開し、低下したらまた投与休止というサイクルを繰り返す間欠ホルモン治療をお勧めします。持続ホルモン治療と効果に差はなく、副作用の軽減が期待できます。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院顧問(泌尿器科)の福井巌医師が当たりました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。個人情報を厳守します。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

がん研有明病院の福井巌医師
がん研有明病院の福井巌医師
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 《ミニ解説》

 ■なぜ全摘出後もPSA値は再上昇?

 今回の診断や治療でポイントとなった前立腺の腫瘍マーカーであるPSAは、前立腺がんになるとその値が高くなる。ただ、がんがあった前立腺を全摘出し、前立腺という臓器が存在しなくなった後でも、PSA値が反応して、再上昇するのはなぜだろうか。

 福井医師は「前立腺を摘出した後に、前立腺のがん細胞は体のどこに転移しても、PSAを産生する性質がある」と指摘する。

 具体的にPSA値の再上昇がよく見られるのは、(1)検査画像では見えない小さな遠隔転移が生じる(2)被膜外浸潤があり、がん細胞が周辺に浸潤している-場合などがあるという。

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