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デジタル教科書 普及が進まない理由

 乾教諭は「これまでは黒板に絵を描くなどして生徒の理解を促してきたが、デジタル教科書のほうが、生徒もイメージをつかみやすいようだ」と話す。「情報量も多く、便利なので授業以外でも柔軟に使うようになった」という。

費用面のハードル

 児童生徒が使う学習者用デジタル教科書の導入について、国は昨年、正式な教科書と位置づける学校教育法を改正。これまでは授業で紙の教科書を使用することを義務づけていたが、今年4月以降、小中学校で解禁され、半年が経過した。

 大阪府内の私立中学で社会を教える男性教諭(23)も「普段の授業では教科書に加え、副教材やプリントを使っているがデジタルは格段に情報量が多い」と導入に意欲を見せる。

 ただし実際に使うには児童生徒が1人1台ずつタブレットなどを持つことが前提になる。無償で提供される紙の教科書とは異なり、端末やデジタル教科書を使うための「アカウント」も購入する必要がある。自治体は予算をつけなければならないため、導入のハードルは高くなる。

 タブレットの配布などICT(情報通信技術)教育に力を注ぐ大阪府箕面市の担当者は「公立では費用面でかなりのハードルがある。まずは教諭が電子黒板などと一緒に使用する『指導者用デジタル教科書』の普及の必要もあり、児童たちが使う学習者用の検討は少し先の話になるだろう」と話す。

 来年度から小学校で新学習指導要領が全面実施となるのに合わせ、今後、学校現場でのデジタル教科書の本格活用を検討する学校も少しずつ増えるとみられている。教科書会社の担当者は「まだまだこれからの分野。私立小中やICTの先進的な取り組みをしている一部の公立校を皮切りに、魅力を伝えていけたら」としている。

目と画面の間は30センチ

 また、文部科学省ではデジタル教科書の効果的な活用の仕方や注意点について整理したガイドラインを昨年12月に公表している。

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