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歳時記 お雑煮 地域の価値観を反映

粕谷浩子さん
粕谷浩子さん
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◆野菜の切り方

 粕谷さんは「雑煮の野菜の切り方でその人や家族の出身が分かる」とも教えてくれた。

 京都などでは「家庭が円満であるように」と基本的な具材は丸くカットされている。そのため、ダイコンも雑煮大根というニンジンと同じくらいの太さのダイコンが使われる。東北では、かつて、事前に切った野菜を屋外に一夜干しして凍らせたため、千切りにするという。

◆茶碗蒸しに餅

 都市の中でも一部の地域だけに伝わるとても珍しい雑煮もある。

 たとえば、福岡県の朝倉市などの一部地域では茶碗(ちゃわん)蒸しに餅を入れた「蒸し雑煮」がある。粕谷さんの調査によると、かつて福岡藩は長崎の警備をしていたため、中国伝来の茶碗蒸しが武士たちの間で広まった。また、飢饉(ききん)対策として鶏を飼育していたことから当時貴重だった卵が入手でき、朝倉市などの中でも武家が暮らしていた一部地域だけで、蒸し雑煮が親しまれたとみている。

 “海なし県”である長野県の松本市では雑煮に塩ブリが使われている。富山湾でとれたブリの流通ルートが松本市を通るため、県内でも同市では塩ブリが手に入った。山間部にとって貴重な海の幸だからこそ、お正月の雑煮に使われたのではという考察もできるようだ。

 これらは全国にあまたある雑煮のほんの一部だけに過ぎない。粕谷さんは「雑煮の中にある具材などには、その地域の価値観がはっきりと出る。全国で雑煮を調べているが、その種類は100種類なんていうものではない」と話す。

 正月には慣れ親しんだいつもの雑煮を食べるのもいいが、さまざまな地域での歴史や思いが詰まったお雑煮を作って食べてみるのもいいのではないだろうか。

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