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【負けるもんか】日本最小の赤ちゃんから成人に「ハンディ感じない」 佐藤歩美さん(仮名)

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 佐藤さんに「289グラム」で生まれた過去が伝えられたのは、小学校進学前のこと。ただ、佐藤さん自身は「全然覚えていない」。

 担任教諭から同級生の保護者らに事前に説明してもらったこともあり、母親は「いじめはなかった。本当に恵まれたよね」と笑顔をみせる。父親も「周囲の人たちがいい子供、いいお母さん、いい先生ばかりだった。みんなサポートしてくれた」と感謝する。

 高校時代には、顧問だった担任教諭に誘われ、バスケットボール部へ。3年間補欠だったが、誰よりも早く体育館に行き、練習に励んだ。「公式戦でシュートが1本入ったのが忘れられない」

 昨春からは一般企業で働く。初めての給料が出た日は、真っ先に高校に報告に行った。現在は業務に生かすため、パソコンスクールに週2回程度通い、文書ソフトや表計算ソフトを使いこなすことに夢中だ。

 20歳の成人を迎えた今年6月、出生時から交流が続く看護師が自宅にお祝いに駆けつけてくれた。たわいないメールのやり取りも心の支えになってきた。成人式用の着物はすでに自宅に届き、ヘアアレンジのために髪を伸ばしている。

 慶応大病院では、佐藤さんの後、平成18年に265グラムの女児が、昨年には268グラムの男児がそれぞれ出生し、無事退院している。

 池田氏は「佐藤さんの治療経験がもとで、次の赤ちゃんの生存につながり、より後遺症の少ない医療に改善されている。より小さい赤ちゃんを救おうとする努力が、今救えている患者の質を良くする。元気で成長してくれた功績は非常に大きい」と強調する。

 今後の夢を聞くと、父親が代わって答えた。

 「生きていることが不思議といえば不思議。奇跡といえば奇跡。それがずっと積み重なって、今がある。就職しても心配は心配だけど、本人が頑張ってクリアしてくれたから、今後もそうなのかな」

 アイドルグループ「嵐」の大野智さんが好きだという佐藤さんに、最後に結婚願望について尋ねた。

 「相手を早く見つけたい。子供はまだ考えられないかな」

 冗談めかして笑った。

(伊藤真呂武)

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