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【本ナビ+1】表現者たちの苦闘の歴史 ライター・永青文庫副館長・橋本麻里

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 対象との距離の近さ、場合によっては接触なしには感知し得ない嗅覚が、だからこそ性愛と不可分に結びつくこと、しかも聴覚をあらかじめ閉ざされた「眠れる美女」を対象とすることで、女性たちの個性を匂いによって際立たせた川端康成『眠れる美女』。

 なるほど、嗅覚-匂いの情報は、世界の解像度を上げ、人間の心理の綾をより陰翳(いんえい)深く描き出すことができる。ならば藤原定家が「梅の花にほひをうつす袖の上に軒もる月の影ぞあらそふ」と詠い、光(視覚)と匂い(嗅覚)とを同じ土俵で争わせた時代の文学は、どのように匂いと人間との関係を、規定していたのか。関心はさらに広がり、遡(さかのぼ)っていく。

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