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【がん電話相談から】Q:糖尿病入院で甲状腺乳頭がん疑い 手術は不可避?

甲状腺がん
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■大きさや転移有無 血糖値管理も重要

 Q 50代の男性です。今年8月、糖尿病の血糖コントロールのため入院中に検査して甲状腺がんの疑いを指摘されました。詳しく調べた結果、約2センチの「甲状腺乳頭がん」と診断され、リンパ節転移もありました。それまで自覚症状がなく、突然、がんと診断されて動揺しています。手術を勧められましたが、不安です。やはり手術は受けた方がいいのでしょうか。

 A 甲状腺乳頭がんは甲状腺がんで最も多く見られ、一般的におとなしいとされるがんです。がんの大きさが1センチ以下で、明らかな転移(リンパ節や肺など)がなければ、手術をせずに経過観察とする方法も可能とされています。しかし、がんが1センチ以上ですと、原則手術が推奨されます。

 Q 私の場合、甲状腺の右側に腫瘍が見つかりましたが、手術ではその右側だけを切除するのではなく、全摘出になる可能性も言われています。手術であけてみないと、がんの状態は正確には分からないのですか。

 A 事前の検査(超音波・CT検査)である程度、分かっていると思います。全摘出は、両側にがんがある場合や、将来再発・転移の可能性が高いと思われる患者さん(もともと大きなリンパ節転移や周辺臓器への浸潤がある場合など)に実施されます。

 Q 全摘出になった場合、頸部を10センチ切るとも言われていますが。

 A どのくらいの範囲までリンパ節転移があるかも関係します。今回、全摘出を施行するために10センチの範囲を切るとの話は、安全に手術を行うためにはおおむね必要な長さと考えられます。

 Q 戸田先生は甲状腺がんの専門ということですが、私がかかっているのは総合病院の耳鼻咽喉科です。

 A 病院によっては、耳鼻咽喉科が主に甲状腺がんを診ているところもあります。甲状腺専門医が常時いる施設であれば、科の名前を気にする必要はありません。

 Q 糖尿病との関係で気をつけることはありますか。

 A 糖尿病の方は、手術前に血糖値を十分コントロールしておくことが大切です。コントロールが悪い状態では、術後、傷が治りづらかったり、感染症などの合併症リスクも高くなったりするからです。主治医の先生の指示通りに血糖値のコントロールをしたうえで手術を受けた方がいいと思います。

 Q 術後、声には影響が出ますか。

 A 甲状腺の裏に、声帯に指令を伝える反回神経があります。その神経にまでがんが浸潤していると、術後、声帯の運動(声)に影響が出る恐れがあります。神経への浸潤が特に強い場合は、神経を切断せざるを得ないこともまれにあります。その場合でも術中に神経を再建することにより、ある程度はもとの声に戻すことが可能です。

 Q 戸田先生の心強いご回答に、病気とたたかう勇気が出てきました。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院頭頸科副医長の戸田和寿医師が当たりました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時に受け付けます(03・5531・0110、無料)。個人情報を厳守します。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

 《ミニ解説

 ■自覚症状なく発見されるケースが多い

 甲状腺がんはどのように発見されるのだろうか。戸田医師によると、大半は自覚症状がなく、頸動脈エコーやPET検査を受けた際、たまたま甲状腺がんが発見されることが多い。また、声枯れ・せき・血痰などの症状があり、なかなか治らないので、検査をしたら甲状腺がんだったということもあるという。

 戸田医師は「甲状腺がんは全体的におとなしいがんとされますので、診断されてもあわてることはありません」としたうえで、「適切な診断と治療が何よりも必要となり、専門医に相談することが大切です」と助言している。

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