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【話の肖像画】シンガー・ソングライター BORO(65)(2)内田裕也が「イイねぇ」

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デビューをプロデュースした内田裕也(右)と
デビューをプロデュースした内田裕也(右)と

 〈デビューのきっかけはロックンローラー、内田裕也との出会いだった。内田には、沢田研二がボーカルを務めたグループサウンズ「ザ・タイガース」を発掘し、売り出した音楽プロデューサーの顔もあった。今から40年以上前になる〉

 大阪・北新地のナイトクラブでギターの弾き語りをしているときに、裕也さんが店に来たんです。そのころ、ぼくはオリジナルをいっぱい歌ってました。弾き語りをするには演歌も歌謡曲も何でも歌えなきゃいけない。レパートリーは2000曲以上ありましたが、その合間にオリジナル曲を必ず歌っていました。

 だれかが言ったんですよ。北新地におもろい弾き語りがいると。その人に連れられて裕也さんが店に来て、座るなり、「オリジナルをやってくれ」「オリジナルを聴かせてよ」と。それで5曲くらい、裕也さんの前で歌いました。

 歌い終わると裕也さんは「イイねぇ」って言いました。「ちょっとこっち来てよ。一緒に飲もうよ」って。「何飲む?」と聞かれ、「コーラ」って答えたら、「えっ、酒飲まないの」。「はい」と言うと、また「イイねぇ」と言ったのですよ。「イイよねえ、イイ、イイ。酒飲まないのはイイよ」。普通は酒飲まないと「なんだ!」「オレの酒飲めないのか」って言われるのに、酒飲まないのを「イイねぇ」っていうのは初めてで、うれしくなりました。

 〈こわもての内田裕也。そんな世間のイメージと、BOROが会った「裕也さん」の印象はまったく違っていた〉

 「名前なんていうの」って聞かれ、「ボロです」って言ったんです。その日は、ふくらはぎに「BORO」と刺繍(ししゅう)をしたズボンをはいてまして、「BOROです」ってこう指さすと、「えっ」て。「イイねぇ、『ビー・オー・アール・オー』っていうんだ。イイねぇ」って。

 それから、オリジナル曲の話になって、曲の感想とそれを作ったときの思いを聞かれ、「こうこうこうです」って言うと、「ほおーっ」って。わたしね、裕也さんっていうと、(内田裕也がプロデュースした)フラワー・トラベリン・バンドの怖い印象があったので、「ほおーっ」ていうイメージがありませんでした。びっくりしまして、この人やさしい人だなと思って。

 「レパートリー何曲あるの」って聞かれたから、「300曲くらいオリジナルあります。作詞も作曲もです」と答えると、「そのうち自分の中で自信がある曲は何曲くらい?」と。「50曲くらい」と言うと、裕也さん、「2枚組みのアルバムが作れるね」と言ったんですね。わたし、「本当に作れるのか」って思いましたよ。

 そんなことがあって、「デモテープを送れ」って言われました。それで帰っていったんですよ。そうしたら店中が、えらいことになりましてね。裕也さん帰ってから、ホステスさんたちが「いよいよスターやな」「すごいことやね、先生(店ではこう呼ばれた)」みたいな。大阪独特のノリがあるじゃないですか、そんな感じで盛り上がりました。(聞き手 松田則章)

 コンサート情報・チケットの問い合わせは、BOROの音符工房(0797・61・3399、ホームページへ。

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