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【ゴッホ展この1点】(4)アドルフ・モンティセリ「陶器壺の花」1875-78年頃 色彩のオーケストラ

油彩・板 個人蔵
油彩・板 個人蔵

 モンティセリは、ひとつの画面上で広範囲にわたる色階が完璧に調和をとれるように、時々花束を描いた。こうした色彩のオーケストラを他に探すなら、ドラクロワまで遡(さかのぼ)らなければならない -1888年3月25日頃 弟テオへの手紙(仏アルルにて)

 代表作の「糸杉」や「ひまわり」のように、ゴッホといえば絵の具をたっぷり使い、厚くうねるように塗った画面を思い出す。彼が厚塗りを始めたきっかけはパリ時代。南仏マルセイユ出身の画家、アドルフ・モンティセリ(1824~86年)の影響といわれている。

 本作品から厚塗り、激しいタッチ、コントラストの強い色彩といったモンティセリ独自のスタイルが見て取れるだろう。陶器の壺、花縞柄(はなしまがら)のテーブルクロス、背景の壁に至るまで力強い筆触で描かれており、ひときわ厚く塗り重ねた花々が輝きを放っている。

 ゴッホは1886年、故国オランダからパリに出て間もなく、モンティセリに心酔。ロマン主義や象徴主義に近いモンティセリの主題や世界観そのものより、色彩に魅了されたようだ。

 「ゴッホ展」では、彼がモンティセリ作品を“手本”にしたであろう静物画「花瓶の花」も展示している。

 暗い背景と明るく鮮烈な花を対比させた、一見ゴッホと思えないユニークな作品。モンティセリとゴッホ、2つの花の静物画をぜひ、見比べてみてほしい。(黒)

 「ゴッホ展」は上野の森美術館(東京・上野公園)で来年1月13日まで開催。

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