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【編集者のおすすめ】『小説 学を喰らう虫』北村守著 危険と紙一重の存在描く

『小説 学を喰らう虫』北村守著
『小説 学を喰らう虫』北村守著

 □『小説 学を喰らう虫 マンモス学校法人に棲みついた暴君の大罪』

 昨年、アメフトの悪質タックル事件に端を発したマンモス大学をめぐる騒動の中で、学長ではなく、すべての権限の中心に位置し、しかもメディアに一切登場しない理事長という存在を知り、その異様さに驚いた方も多いのではないでしょうか。

 本書は、そうした巨大学校法人の理事長にフォーカスしたリアルな小説です。なぜなら、この物語はある学校法人で実際に起きた不祥事をもとに描いたものだからです。

 舞台は、今から10年ほど前の大阪。3大学、1高校、1中学を擁し、生徒総数約2万1000人を抱える関西屈指のマンモス学校法人の理事長に、ある男が就任したところから物語は始まります。

 その男は、浪費癖の直らない前理事長に代わり、運営の安定と発展を期待されて就任しましたが、その本性は、とんでもないワルでした。談合屋の元締めだったこの男は、理事長の権限を盾に、膨大な工事を発注して巨額の見返りを受け、学校を貪(むさぼ)り尽くすようになったのです。

 しかし、あまりの露骨さに、数人の理事がその悪行に気づき、ひそかに調査を始めます。そして、その実態を知るに至り、理事長追放に向けて、ついに行動を起こします。

 ここから先は、ぜひ本書を読んで、複雑に絡み合った人間関係の中での攻防を味わってほしいと思います。

 それとともに、最高学府を運営する理事会とそのトップである理事長の存在が、その構造上、つねに危険と紙一重であることもぜひ実感してください。(現代書林・1700円+税)

 現代書林 坂本桂一

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