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三・一独立運動で日本にエール 法王は天皇に連帯を求めた 「軍服の修道士 山本信次郎」

皿木喜久『天皇と法王の架け橋 軍服の修道士 山本信次郎』(産経新聞出版)
皿木喜久『天皇と法王の架け橋 軍服の修道士 山本信次郎』(産経新聞出版)
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 3月1日、ソウルのパゴダ公園に集まった約2万人の学生や労働者が「独立宣言書」にあおられ、市内をデモ行進したのが、始まりだった。暴動は朝鮮半島全土に広がり、日本人の警察官などが殺害された。

 朝鮮総督府は武力鎮圧に乗り出し、同年5月ごろまでにはほぼ収まった。日本は武断政治を敷いてきた長谷川好道(よしみち)総督を更迭するなどして、事態の鎮静化につとめた。

 だがなお、独立派が海外で暴動を起こす気配があった。

 今回の皇太子訪欧をめぐっても、寄港する香港で、独立派の暴徒が皇太子を狙っている、とのうわさが流れた。

 珍田らは、皇太子の又従兄で体つきが似ている小松輝久(てるひさ)侯爵に、山本信次郎をつけて、皇太子のダミーとして先に上陸させた。その後に皇太子自身が秘かに艦を降りるという作戦をたてたのだった。

 つまり、日本にとっては重大な問題だったのだが、法王が話題にするとは、日本側にとって、意外だった。

 「この独立運動で、プロテスタントの牧師が、教会の地下室で不穏文書の印刷をさせたとか、暴徒に金を与えたといったことがあった。しかも彼らの『愛国運動』に加わらないと、非国民視され、いろいろと迫害を蒙(こうむ)ったにも関わらず、カトリック教徒はついに、これに参加しませんでした」

 「カトリックの教義教理は、確立せる国体、政体の変更を許しませんから、かかる結果をみたのです」

 「過激思想、社会主義等の険悪なる思想が社会を風靡(ふうび)しつつある今日、これに有効に抵抗しつつあるのは、わずかにカトリック教会のみであります。従って秩序を重んぜらるる日本と、カトリック教会とが、ともに手を携(たずさ)えて進むことも度々ありましょう」

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