【脳を知る】「フレイルと健康寿命」ウオーキングなど運動が有効
フレイルは糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患などの持病を合併することで起こりやすくなります。したがって、フレイルを予防、治療するには、まずは持病のコントロールをすることが必要です。
また、フレイルの主な原因には筋肉量低下と低栄養があげられます。筋肉量をアップさせるためには、筋肉の形成を促すアミノ酸の摂取と骨格を維持するためのカルシウムの摂取および運動療法が有効です。
まずは、規則正しくバランスの良い食事を摂取することから始めましょう。また、運動は、筋力アップだけでなく、メタボや認知症にも有効です。ウオーキングや自転車などの有酸素運動は、体力向上やメタボ予防、認知機能の向上に効果があります。
筋力やバランスを鍛える運動には、スクワット、片脚立ち、踵(かかと)上げ運動などがあります。スクワットは1セット5~6回、片脚立ちは左右で1分間ずつ、踵上げは1セット20回として1日に3セットずつ行うことが推奨されます。
運動は継続することが重要です。半年間、ウオーキングとこれらの運動を行うことで筋力やバランス、歩行速度などが改善しますので、まずは運動をすることから始めて、健康を維持するために継続させましょう。
(和歌山県立医科大学 脳神経外科 講師 八子理恵)