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【ビブリオエッセー】真面目に右往左往する人気者 「よみがえる変態」星野源(文春文庫)

 テレビドラマ『11人もいる!』の時から、星野源さんが好きです。毎回、終盤に短い歌を弾き語りして、それが意外にうまく(!)、素敵だなぁと思っていた。

 この『よみがえる変態』も面白かった。自分の中のマイナーな部分を隠すことなく書いて、右往左往するところがとても身近に感じられた。

 前半は曲作りの苦しみや喜び、ドラマや映画やエッセーと活躍する中での人との出会いが描かれる。大活躍した話でも自慢っぽく感じさせないのは、率直な書き方とあまりに真面目な生き方のせいだろうか。超ハードな毎日にこちらもハラハラしつつゲラゲラ笑いながら読んでいると、急に真っ黒なページが-。

 くも膜下出血で入院。ついに病魔に襲われてしまった。その後、脳動脈瘤(りゅう)の再発、そして手術。小さな小さな「痛い」の二文字が見開きページいっぱいに埋まっていた。

 後半は、ほぼ闘病記録。痛みやら仕事のできない悲しさの連続。でも、そこは星野さん。座薬を入れてくれる可愛い看護師さんとのHな妄想をすることで激痛を忘れようとするのが笑える。残念ながら痛みが勝って妄想は役に立たなかった。その看護師さんに「ファンです」「すごい好きです」と告白され、猛省…。

 「おっぱい」という一文で始まるこのエッセー集。あとがきに「変態であること、それすなわち普通の人間である証明」「日本変態協会会員」と書いていた。

 「変態」でもいい、よみがえってくれたのだから。今後は「変態」をぜひ極めてもらいたいと、読後に思わせてくれる一冊でありました。

大阪府高槻市 山本由美子61

 【ビブリオ・エッセー募集要項】本に関するエッセーを募集しています。応募作品のなかから、産経新聞スタッフが選定し、月~土曜日の夕刊1面に掲載しています。どうか「あなたの一冊」を教えてください。

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