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両手を広げた人物画は女性シャーマン 奈良の出土土器

土器に描かれた女性シャーマン=田原本町
土器に描かれた女性シャーマン=田原本町

 両手を広げたポーズの人物画は女性シャーマン(呪術師=じゅじゅつし)-。奈良県田原本町の清水風(しみずかぜ)遺跡で、人物を描いた弥生時代(約2千年前)の絵画土器が出土したことを受け、町教育委員会はこう結論づけた。描かれていたのは鳥装(ちょうそう)の女性シャーマンで、両手を広げ、乳房もあった。両手を広げた人物の絵画土器は全国で19点出土しているが、乳房を表現したものはなく、性別は不明だった。

 今回見つかった絵画土器は煮炊きに使う大型の甕の破片で、表面に人物画が描かれていた。女性シャーマンが豊穣(ほうじょう)を願う呪術的な儀礼「魂(たま)ふり」を行う様子を描いたと考えられ、当時の祭りでも実際に使用されたと推定されている。

 町教委によると、人物を描いた弥生時代の絵画土器は全国で48点出土。このうち42点は全身を表現し、残る6点は顔だけを描いていた。

 全身を表現した人物画は(1)矢を射る狩猟行為(2)船をこぐ行為(3)盾と戈(か)を持つポーズ(4)両手を広げるポーズ-に分けられ、(3)については男性であるとの見方が強いという。

 (4)に関しては女性シャーマンの可能性が高いとされていたが、女性器を表現したとみられる資料は雁屋(かりや)遺跡(大阪府四條畷市)と唐古・鍵遺跡(田原本町)の2例しかなく、性別を断定できていなかった。

 また、甕には煤(すす)が付いていることから、貯蔵用ではなく煮炊き用だったとみられる。甕などを使って供え物をする祭りが、当時は頻繁に行われていたと推測できるという。

 藤田三郎・田原本町埋蔵文化財センター長は「弥生時代には男女のシャーマンで役割分担があり、豊穣の祭りを担うのは女性だったと考えられる。今回見つかった土器でそれが明確になった」としている。

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