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【夜間中学はいま】(17)学びの魅力にみせられた映画監督

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自主夜間学校「あつぎえんぴつの会」の授業終了後、出席者と談笑する映画監督の森康行さん=18日、神奈川県厚木市(桐山弘太撮影)
自主夜間学校「あつぎえんぴつの会」の授業終了後、出席者と談笑する映画監督の森康行さん=18日、神奈川県厚木市(桐山弘太撮影)

 夜間中学を描いたドキュメンタリー映画「こんばんは」のメガホンを取った森康行監督(69)は、教師や生徒とは別の視点で夜間中学校を見つめてきた一人だ。3年以上にわたって連日学校に通い、生徒たちに寄り添いながら完成させた。「夜間中学って、どんなところですか」。そう尋ねると、「ゆったりとした時間が流れる不思議なところ」という答えが返ってきた。

豊かな日本で

 バブル期の平成3年、テレビ番組制作会社でフリーのディレクターをしていた森監督は、「豊かな日本のなかで」というタイトルの講演録に目を奪われた。ある夜間中学の現状を、現場の教師が語ったものだ。

 「今の日本で学校に通えず、読み書きができない人がいるのか。本当にそんな人がいるのか」

 テレビディレクターとして世界各地をめぐり、珍しい映像をとろうと躍起になっていた。当時はバブル全盛期。日本人の海外旅行が盛んで、世界中で日本人観光客に出くわした。「日本は、お金持ちの国だと強く感じていたんです」

 しかし、夜間中学を知って、そうでない現実に出合い、映像におさめたいと思った。すぐには着手できなかったが、数年間にわたって構想を温め、自主制作という形でスタートした。

 舞台は東京の夜間中学。「夜間の言葉から暗いというイメージもあったんです。でもね、全然違っていた。生徒さんたちは本当に明るいんですよ」

 教室に足を踏み入れると、抱いていた夜間中学のイメージが一気に覆された。生徒の多くは、貧困などで学ぶ機会を失われた厳しい現実と向き合っている人たちだ。だが、教室にいる人たちは「みな同じ仲間」という安心感をもっている、と感じた。

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