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【話の肖像画】女子柔道金メダリスト・谷亮子(44)(5)対戦相手を尊敬する

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小学4年生で出た大会で男の子を5人抜き。金メダルを手にピースサイン(道場の中田くんと) (c)Ryoko
小学4年生で出た大会で男の子を5人抜き。金メダルを手にピースサイン(道場の中田くんと) (c)Ryoko

 〈競技だけでなく、言葉でも世の中を動かす柔道家だった。「最高で金、最低でも金」は2000(平成12)年の流行語大賞・特別賞に選ばれている〉

 自分の発言が自分に与える影響が大きいと感じたのは、15歳の時です。福岡国際女子選手権で優勝し、初めて大勢のマスコミの皆さんの前でインタビューを受けました。その時に「次の世界選手権の目標は?」と思いもよらぬ質問を受けて、「優勝することです」と。その時はまだ、翌年の世界選手権の代表にも決まっていません。今日初めて世界の舞台に立ち初優勝した直後でしたから、どんな質問が来て、どうお答えすべきかも分かっていませんでしたが、私の答えはとてもスムーズだったんです。心の思いがそのまま言葉になりました。「世界一」「優勝」「金メダル」。この時の記者会見で、「自分の発言は皆さんとの約束になる」「世界一になるには世界一の努力をしなければならない」と再確認することができました。私とマスコミの皆さんとの関係が、ここからスタートしました。

 言葉の重みは、自分自身への責任につながります。言葉を実現させるために、目標を声に出し、そこに向けて努力することを約束する。それが、競技の中に組み込まれるくらい大きなことでした。マスコミの皆さんが言葉を引き出してくださって、目標を確認し、決意を固める場に変わりました。マスコミの皆さんとの出会いが私を育ててくれたと思っています。それが競技の結果に反映されたとも思います。

 〈目標の立て方にも、独特のセオリーがあった〉

 私はあえて金メダルをとった直後に、「次の大会も金を取る」という目標を立てて君が代を聴いていました。それが次の勝利に最短で行ける目標の立て方だったんです。休んでいるときや負けたときに立てる目標は、マイナスの感情からスタートしなければならない。立てた目標が、見定めのつかない位置になる。だけど、世界のトップにいるときに立てる目標は、自分が最短で次のトップに行ける距離にいる。だから、あえて表彰台の上で次の目標を設定していました。

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