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【がん電話相談から】Q:膀胱がん・ステージ4 全摘がうまくいくか不安

膀胱がん
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 ■術前化学療法良好 摘出の可能性高く

 Q 50代の男性です。今年3月、頻尿でクリニックを受診し、膀胱(ぼうこう)入り口に陰影が認められました。総合病院で精密検査を受けたところ、膀胱がんのステージ4でした。リンパ節転移があり、前立腺に浸潤していました。経尿道的膀胱腫瘍切除術「TUR-Bt」を受けました。5月には抗がん剤のGC療法(ゲムシタビン・シスプラチン併用)を開始。8月、コンピューター断層撮影(CT)検査で膀胱がんとリンパ節転移の縮小が認められました。膀胱の全摘手術と回腸導管による尿路変更を予定していますが、主治医から「がんを取り切れない可能性も残る」と言われ、不安が募りました。

 A 抗がん剤治療をしたところ、リンパ節を含めたがんの縮小が認められたので手術で切除という方針になったのだと思います。CTで抗がん剤の効果が認められています。取り切れないと判断すればもう少し抗がん剤治療を追加することもできますので、主治医の先生は取り切れると考えていると推察されます。

 Q 私の場合はなぜ、術前に化学療法を行ったのでしょうか。それがよく分かりませんでした。

 A 膀胱の粘膜から発生する膀胱がんは、進行すると膀胱の壁の中の筋肉へ浸潤していきます(筋層浸潤性膀胱がん)。このような病状の患者さんには、現在までの研究成果から術前化学療法を行った方が治る率が高いことが知られているためです。あなたの場合、リンパ節も腫大していたということですので、術前の化学療法は良い選択と思われます。

 Q CT検査で取り切れるかどうか分かりますか。

 A 膀胱が取れるかどうか、多くの場合判断できます。判断が難しい場合には磁気共鳴画像装置(MRI)検査を追加することもあります。ただし細胞のレベルの取り残しがあるかどうかは、術後の病理検査でないと分かりません。

 Q 術後治療はどのようなものになりそうですか。

 A 摘出した膀胱やリンパ節の病理検査で、膀胱周囲やリンパ節の中にがんが残っている場合には、抗がん剤治療を検討します。万が一、再発や転移が出現したらキイトルーダという免疫チェックポイント阻害剤も保険適用されています。

 Q がんを根治するために民間療法にも興味があります。

 A そういう気持ちはよく分かりますが、治療効果が科学的に証明されているものはほとんどなく、民間療法を受けてもむだになる可能性が高いと思います。

 Q お話は良く分かったのですが、まだ心配が払拭できません。

 A ご心配は仕方がないことでしょう。でも、これまでの治療はうまくいっていると思います。今後、病理検査でがんが消失していればひと安心ですが、その場合でも定期的なCTなどによる経過観察が必要と思います。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院の米瀬淳二・泌尿器科部長が当たりました。がん治療の最新情報に詳しいカウンセラーによる「がん電話相談」(協力・がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

 《ミニ解説》

 ■病状により異なる尿路変更術

 膀胱を全摘すると、尿を体外に排出するための手術も必要になる。これを尿路変更(向)術という。米瀬医師によると、がんが膀胱にとどまっていれば、尿道を残して腸で膀胱の代わりの袋(新膀胱)を作り、自分の尿道につなぐ「自排尿型新膀胱」という方法が可能だ。

 尿道までがんが進展していて尿道切除が必要な場合は、「回腸導管」という方法が行われることが多い。15センチほどの長さに切除した回腸を尿の通り道(導管)として使い、ストーマという出口(大きな梅干しぐらいの大きさ)を右の下腹部に作る。回腸導管ではストーマに袋状の専用の装具を付けて尿をためる方法がとられる。

 「装具の使い方をしっかり身に着ければ、通常の仕事やゴルフなどの運動、入浴もできます」と米瀬医師は話している。

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