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「フィリップ・パレーノ展」 体験から引き出す新たな感覚

展示されたとたんに溶け始めた「リアリティー・パークの雪だるま」(1995-2019年)
展示されたとたんに溶け始めた「リアリティー・パークの雪だるま」(1995-2019年)
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 彫刻や映像など繊細な表現で人間の感覚や感性に訴えかける作品を発表しているフィリップ・パレーノ(55)。世界的に活躍するアーティストの日本の美術館で初となる個展が、東京・神宮前のワタリウム美術館で開かれている。ひとたび展示室に入ると、最先端の感情を揺さぶる美術を体感することになる。(渋沢和彦)

溶ける雪だるま

 展示室に入ったとたん驚かされる。2階に展示されていたのは雪だるま。「リアリティー・パークの雪だるま」というタイトルの作品で、雪を固めたのではなく氷の彫刻。高さは約110センチ。目や鼻や口は、黒い石がはめ込まれている。クリスタルな作品を通して会場が透けてみえる。設置から数時間のうちに石は落ちてしまい、少しずつ姿を変容させている。氷が溶け受け皿に落ちた滴の音が、スピーカーから流れ、水琴窟のような音色を奏でる。どこかで聞いたような気分を味わい癒やされる。

 この作品はかつて日本で発表されたことがある。同館が1995年に企画した「水の波紋」展のために制作された。同館周辺の街中に作品が展示されたが、すぐに溶けてしまい、見た人も少なかった。その再現となった本展では内覧会で披露されたが、わずか2日間で石が転がっただけの痕跡を残して雲散霧消。存在していた雪だるまを想像させるのも作品の意図なのかもしれない。同館では会期中、何度か雪だるまを展示する予定という。

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