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【ゴッホ展この1点】(2)「耕す人」1882~83年頃 画家修業期の力作

オランダ・ハーグまたはドレンテで制作(和泉市久保惣記念美術館)
オランダ・ハーグまたはドレンテで制作(和泉市久保惣記念美術館)

 掘る人、種まく人、鋤(す)く人、男も女も、僕はどんどん描いていかなければならない。(略)農民の暮らしのすべてを観察して描くよ -1881年9月半ば、弟テオへの手紙(オランダ・エッテンにて)

 「種をまく人」をはじめ、農民の姿を数多く描いたジャン=フランソワ・ミレー(1814~75年)はゴッホが終生、敬愛したフランスの画家だ。画家になる前、画廊勤めをしたり聖職者を志したこともあるゴッホは、炭坑地帯で伝道活動をするなど、もともと貧しい労働者に心を寄せていた。1880年、27歳で画家になろうと決心した彼はまず、ミレーら先人の模写から始めている。

 ほぼ独学で絵を学んだゴッホだが、オランダ・ハーグ派の画家で縁戚にあたるアントン・マウフェ(1838~88年)に基礎の手ほどきを受けた。生きたモデルを見て描くべきだとマウフェに助言されたゴッホは、実際の人物や風景を前に、精力的に素描を重ねていった。

 「最初期の人物素描はポーズも硬直して見えますが、徐々にデッサンや構成がしっかりしていくのがわかります」。上野の森美術館(東京・上野公園)の坂元暁美学芸員はこう語る。

 やがて油彩にも挑戦するゴッホだが、本作はまだ少し、ぎこちなさが残る。ただ、土を掘り起こす男の力強さ、汗水たらして働く人々へのゴッホの温かい眼差しが感じられる。(黒)

 「ゴッホ展」は上野の森美術館で来年1月13日まで開催。

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