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人の「生き死に」に寄り添う 人生を間近に…介護の仕事

 ある朝、出勤したら、亡くなっていた。いつもの時間に起きてこないので、見に行ったスタッフが見つけたのだ。診断を待って、ベテランの先輩が「入るな」と言われていた部屋に入った。「触るな」と言われていたが身じまいをさせながら、こう言っていた。

 「ごめんね、ごめんね、トヨさん。触られるのいやだよね。怒んないでね」

 それが、河野さんにはとても自然に見えた。その人らしさは死に際しても変わらない。「最期まで人に触らせず、逝く瞬間も見せず、自分でタイミングを選んだみたいだった」。それ以来、何よりも、当人に心地よい介護を優先している。

 人と人の深い繋(つな)がりにも驚く。トヨさんの死後、どこで知ったのか、職場で部下だったという男性がやってきた。「すごくお世話になったんです。ぼくが墓を見ます」。そう、告げたという。

 「すごいなと思いました。子供がいなくても、誰かを育ててきた人生だったんだと思いました」(河野さん)

◆完成させる

 平成27年度の厚生労働省の調査では、特養の8割近くが、「希望があれば、施設内で看取る」方針。特養には看護職も常駐するが、日々に寄り添うのは圧倒的に介護職だ。

 横浜市の女性(71)は今年1月、94歳の認知症の母親を、伸こう福祉会の特養で看取った。寝ついたのは3日ほど。女性が母親に付き添っていると、顔なじみの介護職がのぞきに来たり、思い出話を聞いてくれたりした。女性は言う。

 「人生を全うした母に、『お母さん、完成やね』って言ったんです。本当にすがすがしい、いい体験をさせてもらいました」

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