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【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)(12)上皇ご夫妻とのパラオ訪問

平成27年、上皇ご夫妻に同行し、ペリリュー島を訪れた
平成27年、上皇ご夫妻に同行し、ペリリュー島を訪れた

 〈厚生労働省の事務次官時代、天皇、皇后だった上皇ご夫妻が平成27年4月に戦没者慰霊でパラオを訪問されたのに同行し、ペリリュー島の慰霊碑の前で説明役を務めた〉

 パラオに向かう飛行機からご一緒しました。自分の座席からご夫妻の頭が見え、ずっと仲良く話されていました。そんなところにまず感激しました。式典では、説明時間が長かったという指摘もありましたが、実は直前に「ちょっと時間を稼いでほしい」と言われていたんです。ご夫妻を降ろしたバスが移動するときに砂利道なので音がしてしまう。車の音が完全に聞こえなくなってからセレモニーが始まるように、説明時間を引き延ばすことになったんです。現場責任者の間で決まったようで、一部の関係者には伝わっていなかったらしく、心配をかけたようでした。初めてのことで齟齬(そご)があり、完璧にはいかなかったのですが、しばらくして慰労の茶会が催された際、事情を知る宮内庁の方が「あれだけ静寂が保たれたセレモニーはなかったです」と言ってくれたので報われました。

 他にも想定外のことがありました。上皇ご夫妻が慰霊碑で拝礼された後、海の向こうに島(激戦地のアンガウル島)が見えるところに移り、再び説明する機会があったんです。そこで、上皇さまが突然、「何であの島はあんな形をしているんでしょうか」と尋ねられたんです。遺骨収集で島に出入りしている職員からサンゴ礁の島で土がほとんどないので平たいのだと聞いていたので、その通りに説明して切り抜けました。普段だったら後ろを振り向けば、専門の職員がいるのですが、このときばかりはそうはいかないじゃないですか。こういうところまでご興味があるのかと驚き、冷や汗ものでしたね。

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