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【文学五輪】米作家スティーヴ・エリクソンさん 現実と虚構のはざま、幻想的に

 映画評論も精力的に手がけ、特異な編集の才能を発揮する青年が主人公の長編小説『ゼロヴィル』(2007年)では映画の都・ハリウッドの変遷を描いた。登場人物の行動と会話を現在形の文章で連ねる形式は映画の文法へのオマージュそのもの。そんな知的なたくらみに、父と娘の絆といった情愛が絡み合うのもこの作家の個性かもしれない。「人間の内面深くに触れられるのが小説の強み。とりわけ親子関係の重要性は、私が親となってから増している」と話していた。

 「芸術は自分のルールでやっていい。ただしそのルールが通るだけの良さが作品にないといけない。映画も音楽も小説も、そうしてほかの世界へ人を連れて行く」。読んだ後で世界の見方が一変する。そんな文学の妙味を教えてくれる作家だ。

 現代の世界文学の魅力を伝えるシリーズ「文学五輪」は第1木曜日掲載です。

【プロフィル】スティーヴ・エリクソン

Steve Erickson 1950年、米国カリフォルニア州生まれ。85年に『彷徨う日々』で作家デビュー。映画評論やノンフィクションも執筆する。『黒い時計の旅』『ルビコン・ビーチ』など邦訳も多い。

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