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【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)(11) 娘に叱られた「早めの退職」

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長女を連れて島根県への赴任も経験した
長女を連れて島根県への赴任も経験した

 〈女性活躍や少子化の問題と合わせ、育児休業のあり方や働き方改革について真剣に議論されるようになった。旧労働省同期の夫と結婚し、娘2人を産んだ頃は仕事と育児の両立が今より困難な時代だった〉

 あの頃、何がほしいかと聞かれたら、躊躇(ちゅうちょ)なく「時間」と答えたと思う。実家も遠く、先輩たちから「省内で最も悲惨なカップルだ」と言われたけど、「あなたたちがうまくやり切れたら、後に続く人たちも夫婦だけで子育てして、働いていけるよね。だから応援してあげる」という感じで見守ってくれました。

 今でも、保育所探しの大変さとか、仕事を納得できるまでやることと子供のための時間を確保することのせめぎ合いとか、悩みの本質はあまり変わっていない気がします。特に長時間労働がある限り、少子化は防げない。若いカップルが普通に子育てできるような働き方にしないと、少子化は止まらないんじゃないかと思っています。

 女性への期待が高まっている分、負荷もかかってきているんじゃないですかね。私たちの頃より、女性の学歴は上がっているし、会社でのポジションも違う。何よりもかつては分業だったわけですよね。今は家事・育児も父と母、働くのも父と母で、それに合わせて構造も変わらないといけないのですが、十分なところまではいけていない。少子化・人口減少が進んでいく中で、みんなが自分の能力を発揮でき、子供も生まれて、という社会を本当に作りたいのであれば、やっぱり働き方を相当変えないといけない。その覚悟がなければ、先細りを受け入れるしかないんでしょうね。

 〈島根県の労働基準局に異動した際は、長女を連れての「子連れ」赴任だった〉

 当時住んでいた公務員宿舎では、夫は「奥さんと娘に逃げられた」と言われていた。転勤したと思わないじゃないですか。40代の頃、「私もそれなりに頑張ってきたので、少し早めに退職してもいいのではないか」という話をしたんですよ。そうしたら、娘にすごい怒られた。「ママとパパは一緒に職場に入って、一緒に仕事をして、子育てをやってきたんだから、ママだけ早くやめるなんてずるい。最後まで一緒に働きなさい」と。娘たちは完全に平等に見ていて、私のほうがまだ偏見があったなと気づかされました。

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