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【話の肖像画】元厚生労働事務次官・村木厚子(63)(10)失敗を学ぶ文化へ

 「失敗の科学」という米国のジャーナリストの本がすごく面白くて、「失敗を責める文化」から「失敗を学ぶ文化へ」と説いている。米国でも、失敗を責める文化の典型例で出てきたのが、検察だったんです。反対に、失敗から学んでいる分野が航空機。なぜ航空機が最も安全な乗り物かというと、2つのブラックボックス、要するに隠せない客観証拠が必ず残る。あとはミスをしたときに正直に言うと、罪がかなり軽くなる仕組みを徹底しているんです。正直に言えばほめられる。その積み重ねが安全につながっている。

 大失敗の例としては、英国の児童虐待が出てくる。(失敗した)担当者をしっかり懲らしめれば、みんなが真面目に仕事をするようになるだろうとやったら、離職が相次ぎ、何が何でも機械的に(被害児童を)保護するようになった。言い訳できるように仕事をする人がすごく増え、真面目な人はどんどん離職しちゃう。そういう教訓です。

 社会全体が不寛容になっているとは思いますね。悪いものは隠すという方向に人を追いやるし、真面目にやっている人は追い詰められるし、誰も得しない気がするんですよね。自分の弱みをさらけ出せたほうが多分生きやすくなると思うんです。失敗もある程度認められるし、失敗を防ぐ方法にも早くたどり着ける。そのためにも、早く助けてと言えるということが大切だと思うんですけどね。(聞き手 伊藤真呂武)

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