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【がん電話相談から】胸腺腫を切除したが、今後が不安

胸腺腫
胸腺腫

 ■再発リスク少なく検査で経過観察を

 Q 50代の女性です。初期の症状は胸の痛みとせきでした。平成30年に耳鼻科で内視鏡検査を受けたが、異常なし。呼吸器内科クリニックでコンピューター断層撮影(CT)検査をすると、肺の炎症という指摘でした。今年2月、同クリニックで再検査したところ、「胸部に腫瘍のようなものが認められる」と言われました。その後、総合病院を経て、がんの専門病院へ。5月に胸腺腫と診断され、9月に胸腔鏡下胸腺腫瘍摘出術を受けました。

 A 胸腺腫の手術を受けたとのことですね。胸腺全体を取る手術もあれば、部分的に胸腺腫を取る方法がありますが、あなたの場合はどうでしたか。

 Q 部分的に腫瘍を切除したと聞きました。

 A 分かりました。

 Q ただ、切除した際に、腫瘍がやわらかく、腫瘍内の液体が胸の中に漏れたようです。医師には「大丈夫です」といわれましたが、本当に大丈夫なのでしょうか。

 A 胸の中に液体が漏れたとしても、その液体の中に腫瘍細胞が存在しているケースはまれです。一般的にそのような液体が胸の中にこぼれた場合、手術を終了する前に胸の中を生理食塩水で洗います。もし、心配なら、主治医に洗ったかどうか確認されたらいかがでしょうか。

 Q 洗った後はどうなるのですか。

 A 洗った後は吸引器でその洗浄液を吸引して回収します。

 Q 私の場合、再発の可能性は高いですか。

 A 胸腺腫を切除した後の再発率は、低いと思います。手術が腫瘍を含めた胸腺の部分切除で済んでいますので周囲に浸潤もなかったと推測されます。

 Q 手術前の検査では「充実性腫瘍」と言われました。これはどのような意味ですか。

 A 腫瘍細胞でできている腫瘍という意味です。一部には嚢胞(のうほう)と呼ばれる水溶物が中にたまってできる腫瘍もあります。

 Q リンパ球が多いともいわれました。実は診断がつく前に、胸腺腫か悪性リンパ腫のどちらかの可能性を指摘されました。

 A 悪性のリンパ球なら、悪性リンパ腫という診断になります。あなたはリンパ球の多いタイプの胸腺腫だと思います。術後に、もし、腫瘍細胞が見えない形で残ったとしても、それらの腫瘍細胞がそのまま再発するとは限りません。浮遊した腫瘍細胞は、栄養がないと死んでしまうからです。

 Q 今後は半年ごとにCT検査をすることになっています。

 A 定期的に検査して経過観察をしていけばいいと思います。

 Q それでも心配は残ります。

 A 心配の種があればその疑問を解消しないと、ずっとくよくよすることになってしまいます。ですから、主治医に改めて聞いて確認するのはいかがでしょうか。再発してしまうのではないかという前提で考えておられますが、胸腺腫の術後の再発は、決して多くありません。

 Q 少し安心しました。

 A もっと安心して大丈夫だと思います。(構成 大家俊夫)

 回答には、がん研有明病院中央手術部長(呼吸器外科前部長)の奥村栄医師が当たりました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(協力・がん研究会、アフラック、産経新聞社)は月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時に受け付けます(03・5531・0110、無料)。個人情報を厳守します。相談内容が本欄やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。

 《ミニ解説》

 ■無症状で進行、浸潤や播種を伴う症例も

 胸腺は胸部の中央部分(心臓の前、胸骨の裏側)に位置する。Tリンパ球と呼ばれる白血球を作っている臓器で、免疫に関して大切な働きを担っている。胸腺腫の初期症状に関しては、今回の相談者は胸の痛みとせきの症状で発見されたが、一般的に無症状のことが多く、周囲臓器への浸潤や播種(はしゅ)などを伴って発見される症例もあり得る。

 胸腺腫は、がんではないものの、がんと同じような治療をしている。「胸腺腫の充実性腫瘍であれば、外科的切除をお勧めすることが多い。それはがんではないが、進展すればがんと同じように周囲臓器に浸潤したり、胸腔内に播種をきたしてしまうことがあるからです」と奥村医師は話している。

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